内容説明
性や暴力といった刺激的なトピックから、人生の意味といった高尚なテーマまで、いま一番熱い研究分野＝進化心理学の知見を総動員して徹底的に解説。
目次
どん底に立って
グラビアアイドルと心の仕組み
殺人妄想
偏見はなぜ生まれるのか？
心はぬりえ帳
ひとつの身体、いくつもの心
マズローと新しいピラミッド
記憶はどうやってつくられるのか？
クジャクとポルシェとパブロ・ピカソ
信仰の心理学
経済学と深い合理性
力学系理論と社会のジオメトリー
星を見上げて
著者等紹介
ケンリック，ダグラス［ケンリック，ダグラス］ ［Ｋｅｎｒｉｃｋ，Ｄｏｕｇｌａｓ Ｔ．］
１９４８年ニューヨーク・クイーンズ生まれ。大学院に進学。ロバート・チャルディーニのもとで社会心理学を学び博士号を取得する。現在、アリゾナ州立大学心理学教授
山形浩生［ヤマガタヒロオ］
１９６４年東京生まれ。東京大学工学系研究科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務、途上国援助業務のかたわら、経済、ＩＴから文学、思想まで、広範な批評活動、翻訳を手がける
森本正史［モリモトマサフミ］
翻訳者（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
30
進化心理学というのは、人間行動の理由を解き明かすものということだろうか。著者は、すべての人間の行動の根源的な動機は自分の遺伝子を残したいという願望から生じている、との仮定のもと人間行動を解釈してみせる。著者の解釈の是非について議論はあろうが、私にはしっくりと理解ができた。本書では論じてないのだが、昨今の少子化傾向について著者ならばどう説明するのだろうか。社会が豊かになってしまうと人間は自分の遺伝子を残そうとする本能は失せてしまうのか。それとも社会環境変化によるものなのか。抜本的対策のためにその解明に期待。2017/08/06
late
26
あとがきで訳者が「この本の内容、全部正しいわけじゃないよ！」って言ってるのが面白すぎる。なかなか無いぞこんな本。内容としてはタイトル通り。進化心理学という比較的新しく、多くのジャンルの垣根を超えられる学問についての紹介。殺人やセックスをはじめとする比較的世俗的でわかりやすい例を出しつつ進んでいく。個人的にこの本の内容や進化心理学を信じるかどうかは別として、興味深いことがたくさん書かれているなと思った。面白かったのは、我々は別の人種の顔を上手く認識できないが、相手が怒った顔をしているときは別という研究結果。2019/04/05
白義
18
人間の行動の中でも一般に最も低俗と見なされるセックスと暴力、特にセックスを人間の社会活動の根本的な基底において、実は宗教的信仰や政治的左右論争、芸術の創造だって繁殖欲のバリエーションや戦略として解釈できちまうんだぜ、というまさに下から見る進化心理学講座。と書くと、真っ当な読者ならばまず竹内久美子みたいなお下劣トンデモ本ではないかと疑うところだろうが、きちんと著者自身が実験した結果から議論を進めているので一億倍以上はマシである。その仮説が乱暴なのも事実だが訳者解説で問題点がしっかり批判されているのも好印象だ2016/05/24
GASHOW
9
人間が文化的なふるまいをするようになったのはこの数百年くらいのことで、中世くらいまでは殺人も日常にあった。殺人とセックスをしてきた人類の子孫の我々には、生き残ってきたDNAとして、選択や行動が進化に適したものを採用しているのだろうと思う。社会的地位が高そうな人がモテるのは、古代でも現代でもかわらないし、美人がモテるのもそうだろう。知的な人は子を産まない傾向があったと何かの本にあったが、社会的活動をしない人は子孫に恵まれないのかもしれない。男女の違いも進化をベースに考えると面白い。2020/02/03
乱読家 護る会支持！
7
僕がリスペクトし続ける心理学者のカール・ロジャーズは、「パーソナリティ変化の必要にして十分な条件」として、「受容・共感・自己一致」を上げている。 それは正に、目の前にいる人間から良質なパーソナリティを表面化させる条件である。 他者に対する怒りや憎しみ、恐怖は、相手から立ち現れる前に、自分自身の相手への態度が原因なのだ。 どのような状況になったとしても、目の前の相手を信頼し、真摯な態度を取り続けること。 それが、自分自身を守る事でもあり、人生を豊かにさせる秘訣なのでしょう、、、、 知らんけど（笑）2020/06/05
