内容説明
死はいつの日か誰にでも訪れる生の終焉。だが、認知症や精神障害を抱えた高齢者への対応は、「ガンの告知」にはじまり、胃瘻増設・延命治療の是非やリビング・ウイル(事前指示書)の意思決定について、本人の判断や意思確認はむずかしい。安楽死・尊厳死、平穏死という言葉の背後に潜む死の欲動と、最期まで生きようとする生の欲動の狭間で、日々、生の終焉に立ち会う医療者の苦悩と逡巡を臨床現場から発信する。
目次
はしがき―精神科病院で迎える「老い」と「死」
どちらであっても―死の臨床から
精神科長期入院高齢患者の「死の臨床」を考える―よりよいつい(終)の援助のために
精神科病院における身体合併症治療の現状
精神科病院における身体合併症治療の現状と課題―看護の視点から
精神科病院における身体合併症治療・看護の現状と課題
自分の最期は自分で決める―飯田医師会が作った事前指示書
高齢精神障害者の終末期の医療とケア、特に延命治療と胃瘻造設の是非について
自己決定について―精神障害と終末期医療
ターミナルケアにおける癒しのダンス・ムーブメントセラピー
90歳以上超高齢者の診断―認知症の医療を考える
〈ゆらぎ〉の中の死
著者等紹介
松本雅彦[マツモトマサヒコ]
1937年生まれ。精神科医。京都大学医学部卒業。大阪阪本病院、京大病院精神科、京都大学医療技術短期大学部教授、京都府立洛南病院院長を経て、京都稲門会いわくら病院勤務(非常勤)
浅野弘毅[アサノヒロタケ]
1946年生まれ。東北大学医学部卒業。仙台市デイケアセンター所長、仙台市太白保健所長、仙台市立病院神経精神科部長兼老人性痴呆疾患センター室長、認知症介護研究・研修仙台センター副センター長などを経て、東北福祉大学健康科学部保健看護学科教授兼東北福祉大学せんだんホスピタル院長。『季刊精神医療』(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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