出版社内容情報
明治24年、ロシア皇太子ニコライが来遊中、巡査・津田三蔵がテロルに及んだ大津事件には、多くの<謎>が秘められている。明治天皇はじめ政府中枢の「極刑」の意思は、本当に司法官・児島惟謙の「護法」によって覆されたのか?
本書の内容/主な登場人物/十七日間の日表/序章・ニコライの遭難/皇太子ニコライへの兇行/大津事件の歴史的位置/本書のねらい/第一章・津田三蔵の殺意/大津事件の史蹟をたずねる/移された西南戦争記念碑/記念碑前における警備/犯行の動機/「動機」に関する若干の疑問/二人の外国人の正体は?/なぜ殺意を捨てなかったのか/事件の本質は何か/第二章・伊藤博文の動顛/松方内閣の成立/当時の伊藤博文/伊藤博文の活躍/松方首相からの急電/五月十二日における伊藤の動向/京都における伊藤の動向/五月十六日の「問合せ」事件/伊藤博文の「限界」/第三章・パテルノストロの答議/木野氏の好論文/五月十一日の答議/答議の影響力/国民の危機意識/答議「第六」について/勅語から削られた字句/第四章・伊東巳代治の献策/黒幕伊東巳代治/才人伊東巳代治/事件当日の伊東/五月十一日の勅語と伊東/五月十五日の勅書案と伊東/詔勅案の法的性質/伊東はどう反論したのか/御前会議の結論/伊東巳代治の困惑/犯人処罰をめぐるカケヒキ/第五章・三好退蔵の抵抗/石渡敏一の証言/石渡証言への疑問/三好総長の抵抗/三好総長の変節/三好総長の帰京/松方・児島会談の内容/児島院長
内容説明
明治24年ロシア皇太子ニコライが来遊中、巡査・津田三蔵がテロルに及んだ大津事件には、多くの謎が秘められている。明治天皇はじめ政府中枢の“極刑”の意思は、本当に司法官・児島惟謙の「護法」によって覆されたのか。
目次
序章 ニコライの遭難
第1章 津田三蔵の殺意
第2章 伊藤博文の動顛
第3章 パテルノストロの答議
第4章 伊東巳代治の献策
第5章 三好退蔵の抵抗
第6章 明治天皇の勅語
第7章 児島惟謙の急電
第8章 山県有朋の権謀
第9章 明治天皇の誤算
第10章 西郷従道の憤懣
終章 平沼騏一郎の回想