内容説明
本邦初ウラジーミル・ナボコフの本!『ロリータ』はどこから生まれたのか。ナボコフ研究家による批評・作品案内集成。付録としてナボコフ映画化作品・全ガイド。
目次
第1章 美的至福を求めて(ナボコフはどういう作家か;文学と記憶―ワーズワス、プルースト、ナボコフ ほか)
第2章 パロディの方法(夢の手法―ナボコフとドストエフスキー;註釈と脱線―ナボコフからスウィフトへ ほか)
第3章 追憶のコラージュ(遠い北国―亡命作家ナボコフ;『青白い炎』覚書き ほか)
第4章 その生涯と作品(ナボコフ作品案内;ナボコフ伝記・研究書案内 ほか)
付録 ナボコフ映画化作品
著者等紹介
富士川義之[フジカワヨシユキ]
1938年岡山市生まれ。1970年東京大学大学院博士課程満期退学。東京大学文学部教授を経て、現在、駒沢大学文学部教授。英文学専攻
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感想・レビュー
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Ecriture
4
失われた時=自己の回復、過去の現在化の過程、日常的世界から芸術の不滅性(純粋時間)の獲得へ。ナボコフの作品は「世界を芸術作品として実存させるという仕事」。2011/11/06
脳疣沼
1
少しまとまりのないように思えるが、ナボコフの仕事の全体をカバーしているのは良いと思った。しかし、なんだか読み難い。2014/09/17
ぱらっぱ
0
いかにも学者の書いたエッセイで色々な引用で定義づける手法は面白くない。「ロリータ」論はその典型で、あくまでこの作品はポルノグラフィーなんかではなく高尚な「芸術家小説」と強弁するのは興ざめだ。高尚なポルノグラフィーでなぜいけないのか? 無理やり文学史に押し込もうとするのはナボコフという偉大な文学者を逆に貶めている。 作品案内は便利だと思う。2014/06/18