内容説明
『路傍の石』の著者・山本有三は、日本国憲法の口語化に尽力し、新憲法下の参議院の良識を示す。そして、永久平和と戦力の放棄を定めた日本国憲法を「裸より強いものはない」と喝破する。“改憲論議”に対して、日本国憲法の初心を読み解く。
目次
第1章 日本国憲法と山本有三(『竹』との不思議な出会い;細川新書について;サクラから竹へ ほか)
第2章 竹(山本有三)(竹;戦争放棄と日本;ロハス大統領と神保中佐 ほか)
第3章 対論・裸より強いものはない―佐高信・鈴木琢磨(裸より強いものはない;「別品」の思想;河野謙三と「七三の構え」 ほか)
著者等紹介
鈴木琢磨[スズキタクマ]
1959年生まれ。大阪外語大学朝鮮語学科卒業。毎日新聞編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
16
『路傍の石』の作者・山本有三が1948年に刊行した随筆集『竹』を、毎日新聞編集委員である著者が復刊。戦時中から平和を願っていた山本が、新憲法のもとでの平和国家、文化国家の建設を熱く呼びかけていた姿を紹介する。戦力の放棄を「裸より強いものはない」と説き、そこにこそ日本の生きる道があると訴える山本の言葉の節々から、戦争の惨禍を乗り越えて新しい日本をつくろうという当時の息吹が伝わってきて、まさに「日本国憲法の初心」にふれた思いがする一冊。教育への投資を重んじた言説も合わせ、今こそ多くの人に読まれてほしいと思う。2014/05/20
だんぶる
1
憲法改正が話題になっているので読んでみた。桜ではなく竹を目指せってことか。せっかく戦争放棄の平和憲法を作ったのになし崩しで解釈を変えたり、改正するのは、軽々しくはできないこと。一人でどうなるものでもないが、勉強していきたい。2013/11/16
N.T
0
山本有三の「竹」を再び世に知らしめたのは良い事だと思う。 「竹」からは戦後すぐの美しい理想主義が感じられる。 でも、本書の他の部分からは現在の理想主義者の幼稚な部分ばかりが目立つ。 戦後50年以上経っているのにまるで成長がみられない。 21世紀になって日本にとっても領土紛争が現実のものとなって尚「裸より強いものはない」なんて言っていられるのは白痴以外のなにものでもない…と僕は思うのです。2013/09/03