内容説明
頑張りぬいて僕は旅立つ。重度自閉症児と家族の35年。
目次
第1章 誕生
第2章 自閉症の言動
第3章 福祉作業所
第4章 在宅、そして入院
第5章 幸せな時間
第6章 再入院
第7章 少しずつ最期に向かって
著者等紹介
真木田清彦[マキタキヨヒコ]
1976年2月6日、東京都渋谷区生まれ。2012年1月31日、急性胃拡張により死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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s-kozy
50
「僕は死んだ。享年三十五」で書き出される悲しい記録。福祉作業所での理不尽な対応から行動障害となり病院で最期を迎えた自閉症の青年。亡くなった年が平成24年なんだからそんなに昔の話ではない。自閉症の行動障害は二次障害。不適切な環境や不的確な対応・関わりなどにより周囲とのコミュニケーションギャップが生じ、それが問題とされる行動を引き起こす。横浜の(社福)同愛会や東京の(社福)コロロ学舎、NPOこげら会など私が知るだけでも強度行動障害とされる自閉症児者と真正面から向き合って骨太の支援を展開している団体は(つづく)2020/02/03
りい
8
表紙のひまわり、巻頭にある数枚の写真だけをとっても、ご両親の溢れる思いを感じて、こちらも胸が締め付けられる思いがする。自閉症児が大人になる、ご両親は年老いていく、福祉の問題も含めて知らなかったことが多かった。清彦君とご両親を通して、少しでも問題提起ができ、この病気の研究がもっともっと進むといいのにと願ってやまない。2013/01/24
tellme0112
4
自閉症というと、何か特殊な能力があると思われるかもしれないが、多くは働けない人がほとんど…。重度自閉症の日々、親の会の壁、作業所のこと、これが、現在でも続いているのか…。この本が世に出た意味は大きい。2013/05/20
ほわっと
3
親の会でも一般社会以上に厳しい序列があるのか・・・。当事者の苦悩をストレートに描いた内容だった。文章が淡々と描かれているため余計に心に突き刺さった。同じような境遇の方は沢山いらっしゃるだろう。胸が痛むとともに、ご本人を含め、ご家族がもっと生きやすい世の中になってほしいと切に思う。いろいろと考えさせられる本であった。自閉症及び発達障がいのある人の支援にかかわる方は、一度はじっくり目を通しておいてほしいと個人的に思った。 2013/07/02
みかさ
3
障がい児を育てている人には沢山の試練がある。愛したくても愛せない時もある。一緒に死のうと思ったことなど、痛いほどよくわかる。不安も愛情も入り混じって育てていかないといけないのだから。2013/02/15