ホワイト企業―創造的学習をする「個人」を育てる「組織」

電子版価格
¥1,650
  • 電子版あり

ホワイト企業―創造的学習をする「個人」を育てる「組織」

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822279233
  • NDC分類 336.04
  • Cコード C0034

出版社内容情報

個人が「創造的学習力」を高めるため、企業が創造的学習する組織、「ホワイト企業」になるために役立つ書。

あなたの会社はどちらを目指す?

「ホワイト企業」とは付加価値を高め続ける「個人」を育てる組織
本書で掲げる「ホワイト企業」とは、福利厚生が充実した人に優しい安定志向の企業ではありません。価値創造力を高めるため人材開発に力を入れ、イノベーション(本書では「技術革新」ではなく「価値創造」を指す)に結びつく実力重視の会社です。
20世紀の工業社会では、大量生産大量流通型産業が主流で、同質化とコスト競争の圧力がかかり、企業経営では効率向上と管理統制に力が注がれます。薄利多売モデルで経済合理性一辺倒の経営を追求すると、人件費を徹底して下げ、機械と同様に人の稼働率を上げるため、社員を使い潰す「ブラック企業」が生まれます。
21世紀の知識社会では、社会や顧客に高い価値を提供する価値創造型産業が主流になり、企業経営では持続的成長と価値創造が重んじられます。イノベーションは、一握りの天才イノベーターの所業でもなく、偶然生まれるわけでもありません。組織のイノベーション力を高めるカギは、価値創造を牽引する「クリエイティブ・キャピタル」(専門知識や技能を身につけ、顧客や社会にとって価値が高い仕事をする人)を組織内で増やし、価値創造に向けた「創造的学習」を促すことです。

「創造的学習」が価値創造のカギ
「創造的学習」とは、新しい価値の創造を目指す学習です。知識の記憶に傾倒する「受験勉強」や、生きる力や個性重視を抽象的に唱える「ゆとり教育」とは異なります。
創造的学習は、価値創造に向けた5つの学習活動から成ります。「テーマを見つける」、「没頭して楽しむ」、「実体験する」、「他者と交わる」、「教え合う」の5つです。5つの学習活動は、探求するテーマを定め、アイデアを生み、試行錯誤を通じてアイデアを仮説検証し、多様な他者と協働し、知恵を融合させるというイノベーションの活動サイクルと連動します。
働く個人の視点からも、価値創造に結びつく創造的学習法を身につけることは、80代まで働くことが今後予想される超高齢化社会の日本で、賢くなる人工知能や安い賃金の新興国の労働者と張り合い、就職後50年以上続くキャリアを生き抜く最大の武器です。

企業経営の4つの土台をつくり直す
価値創造型事業モデルに移り、組織内で創造的学習を促すには、工業社会で根づいた企業経営のあり方を変える必要があります。知識社会の経営では、業務効率と管理統制を重んじる従来のやり方は通じなくなります。社員の専門性と自律の促進がカギになり、人、職場、組織、文化の4つの経営の土台づくりが求められます。とくに、日本企業に根づいた7つの組織文化の壁を崩すため、文化づくりが大切です。

◆第1部 「働き方」はどう変わるのか
【Chapter1】4つの変化と日本人の働き方
 「クリエイティブ・キャピタル」と呼ばれる人たちの登場
 4つの変化と日本人の働き方
 「格差」がさらに拡大する
 増える「メガシティ」
【Chapter2】「残る職業」も二極分化
 消え去る仕事、残る仕事
【Chapter3】日本はなぜ貧しくなったのか
 貧しくなった日本の教育
 「就職活動」をする前にやっておくべきだったこと
 キャリア形成には2つの段階がある

◆第2部 イノベーションに向けた創造的学習
【Chapter4】孤独な「勉強」をやめ、学習のサイクルを回せ
 「教育」から「学習」へ
 孤独な「勉強」をやめ、学習のサイクルを回せ
【Chapter5】創造的学習のカギその(1)テーマを見つける
 「自分の旗を立てる」
 オープンエデュケーションの正しい利用法
 学校・企業側の挑戦
【Chapter6】創造的学習のカギその(2)没頭して楽しむ
 自由な遊びが創意工夫を生む
【Chapter7】創造的学習のカギその(3)実体験する
【Chapter8】創造的学習のカギその(4)他者と交わる
【Chapter9】創造的学習のカギその(5)教え合う

◆第3部 創造的学習をする組織――ホワイト企業
【Chapter10】高業績企業はイノベーションを“偶然”とは考えない
 組織のイノベーション力を最優先する「ホワイト企業」
 好業績企業の9割は「規模」よりも「イノベーション」を重視する
【Chapter11】イノベーションを阻む7つの壁
 管理統制信仰
 刻苦勉励好き
 組織の論理と人事権の優先
 本業意識
 目先の利益優先
 リスク回避の権威主義
 職場のコミュニケーション不全
【Chapter12】人、職場、組織、文化の土台づくり
 人 / 職場 / 組織 / 文化

目次

第1部 「働き方」はどう変わるのか(4つの変化と日本人の働き方;「残る職業」も二極分化;日本はなぜ貧しくなったのか)
第2部 イノベーションに向けた創造的学習(孤独な「勉強」をやめ、学習のサイクルを回せ;創造的学習のカギその1 テーマを見つける;創造的学習のカギその2 没頭して楽しむ;創造的学習のカギその3 実体験する;創造的学習のカギその4 他者と交わる;創造的学習のカギその5 教え合う)
第3部 創造的学習をする組織―ホワイト企業(高業績企業はイノベーションを“偶然”とは考えない;イノベーションを阻む7つの壁;人、職場、組織、文化の土台づくり)

著者等紹介

永禮弘之[ナガレヒロユキ]
株式会社エレクセ・パートナーズ代表取締役。化学会社、外資系コンサルティング会社、衛星放送会社などを経験後、2008年に株式会社エレクセ・パートナーズを設立、代表取締役に就任し、現在に至る。ATD(米国に本部がある、世界最大規模の人材開発・組織開発の会員組織)日本支部理事、リーダーシップ開発委員会委員長。立教大学のリーダーシップ教育プログラム講師も務める

瀬川明秀[セガワアキヒデ]
日経ビジネス副編集長。日経BPビジョナリー経営研究所主任研究員。1990年日経BP社入社。日経ビジネス、日本経済新聞社産業部、日経ベンチャーなどを経て、これまで複数の媒体の立ち上げに参画。2012年から日経BPビジョナリー経営研究所を兼務。研究所での専門分野はデジタルメディア、ミドルマネジメントの能力開発など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kubottar

16
ホワイト企業とは働いてる人の質がホワイトと言えることでしょうね。嫌な仕事をイヤイヤやるのではなく情熱を持ってやりたい仕事に没頭する。そういうフロー状態と呼ばれる状態になれるような仕事に就くか、はたまた自分で作るか。どちらにせよブラック企業のように人材をコスト(人件費)と見ないで、人材(必要な人間)となるよう行動しなければならない。2016/11/21

放蕩長男

5
ブラック企業のイメージは、不当な長時間労働、福利厚生の無さ、従業員の使い捨てといったところですが、ホワイト企業はどのように定義すればよいのでしょうか。著者は、「社員を顧客や社会へ価値をもたらすための資本と見なし、社員の創造的学習力を高めることに力を入れる企業」としています。社員が健全に成長する企業こそ、ホワイト企業。福利厚生や法令遵守がしっかりしているだけでは、ホワイト企業とは言えないようです。とても得心の行く内容でした。2016/03/08

mutou_tsusato

0
働き方の本をまとめて読んでいた中の一冊。いわゆる「働きやすい会社」の本だと思って読むと期待外れに感じる。「イノベーティブ企業」という言葉が既にあるのなら、その言葉を使ったほうが適切だと思う。とはいえ、「学習する組織」という内容が中心で、先進的な取り組みをする学校の例を挙げている点などは個人的に興味深かった。巻末の「ホワイト企業リスト」に踊らされ、現状把握をせずに社内レイアウト変更するなどして、安易に問題を解決した気になる経営者がいそうだというのは杞憂か。2016/07/12

るる

0
思っていた内容と違ったよ。2016/02/22

ひよこ

0
イノベーションを阻む7つの壁 管理統制信仰、刻苦勉励好き、組織の論理と人事権の優先、本業意識、目先の利益優先、リスク回避の権威主義、職場のコミュニケーション不全2016/01/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10009989
  • ご注意事項

最近チェックした商品