モデルに基づくシステムズエンジニアリング

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 199p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784822275402
  • NDC分類 509.6
  • Cコード C3054

出版社内容情報

モデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)の教科書として、全体像から個々のプロセスの詳細までを解説する。

複雑化するシステム開発の手戻りをなくし、効率化
コミュニケーションを促すシステムの図的な表現手法と開発手順を初歩から解説

あらゆるシステムが複雑化する中で、複数の専門家のチームが同時並行的に開発を進めるための方法論が求められている。そこで重要性を増しているのが、システムのモデルに基づいて開発を進める「モデルベース・システムズエンジニアリング」である。本書は、モデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)を志すシステムズエンジニアの参考書となることを目的としている。2013年6月に発行した「モデルベース開発」の続編でもある。

モデルベース開発における数学的アプローチおよびシミュレーション技術は、モデルベース・システムズエンジニアリングを担うシステムズエンジニアにシステム解析・妥当性確認のための具体的な手段を提供する。

一方、システムズエンジニアリングでは、制御システムに限定されない複数の領域にまたがるシステムを扱い、アーキテクチャーを決定するまでにシステム解析や妥当性確認を繰り返す。例えば、モデルベース・システムズエンジニアリングでは、ハードウエア/ソフトウエアの分割を検討する前の段階から実行可能モデルを作成し、シミュレーションによりシステム解析およびトレードオフ分析を行う。この際、モデルベース開発技術が有効である。ハードウエアとソフトウエアの協調設計はモデルベース・システムズエンジニアリングによって容易となり、今後ますますモデルベース・システムズエンジニアリングの重要性は増すと考えられる。

システムズエンジニアには、多様化するユーザーニーズに対応し、必要とされる機能を定義することが求められる。文書中心であったシステムズエンジニアリングからモデル中心に移行することが、システム構築には有効である。本書は前半で、システムモデル記述に使用されるSysMLを用いた要求分析とシステムアーキテクチャー構築について解説し、後半でモデルベース開発で用いられているシミュレーション関連技術を解説した。

出版にあたっては、慶應義塾大学大学院の西村秀和教授が執筆と全体の監修をした。また、国内においてモデルベース・システムズエンジニアリングを推進するオージス総研、日本アイ・ビー・エム、エクスモーション、豆蔵、ダッソー・システムズ、スマートエナジー研究所の各社が各章を分担して執筆。SysMLダイヤグラムの文法上の正しさについてはスパークスシステムズ ジャパンが確認を行った。

◇西村 秀和(慶應義塾大学大学院)総監修
◇藤倉 俊幸(dSPACE Japan)企画・監修


【第1章】モデルベース・システムズエンジニアリングとは
 1-1 モデルを基にプロジェクトを動かす
 1-2 システムズエンジニアリングの手順
 1-3 SysMLの役割

【第2章】利害関係者要求を定義
 2-1 車両盗難防止を例にして考える
 2-2 車両所有者のニーズを捉える
 2-3 システムが担う範囲を明確化する

【第3章】システム要求を定義・分析
 3-1 システム要求とは
 3-2 要求分析フェーズでの作業
 3-3 機能分析フェーズでの作業

【第4章】システムのアーキテクチャーを構築
 4-1 システムアーキテクチャーとは
 4-2 システムの境界を特定する81
 4-3 論理要素の導出
 4-4 論理アーキテクチャーの作成8
 4-5 物理アーキテクチャーの作成
〔column 01〕システムアーキテクチャー構築で使われる用語

【第5章】制約のモデル化とエンジニアリング解析
 5-1 システムの制約をモデル化する
 5-2 パラメトリックモデルにおける表現
 5-3 パラメトリックモデルの活用法
 5-4 SysMLとシミュレーション

【第6章】マルチドメインモデル
 6-1 マルチドメインモデルの必要性
 6-2 ボンドグラフ
 6-3 モデリングのコツ
 6-4 ドメイン間の接続性
 6-5 制御対象の一部の実物への置換も

【第7章】シミュレーションによる設計検証
 7-1 手戻りを減らし、仕事を早める
 7-2 シミュレーションモデルの抽象度9
 7-3 マルチドメインでの事例

【第8章】MBSE/MBDの導入事例
 8-1 エネルギーシステム開発に活用
 8-2 SysMLの使い方
 8-3 MBSEが変えるエネルギーシステム
〔column 01〕モデル変換ツール「mtrip」の正しい使い方
〔column 02〕システムズエンジニアリングを支援、RhapsodyのSimulink連携機能

【第9章】MBSEにおけるMBDの位置付け
 9-1 はじめに
 9-2 MBDの役割
 9-3 システムモデルとプラントモデル
 9-4 おわりに

内容説明

複雑化するシステム開発の手戻りをなくし、効率化。コミュニケーションを促すシステムの図的な表現手法と開発手順を初歩から解説。

目次

第1章 モデルベース・システムズエンジニアリングとは
第2章 利害関係者要求を定義
第3章 システム要求を定義・分析
第4章 システムアーキテクチャーを構築
第5章 制約のモデル化とエンジニアリング解析
第6章 マルチドメインモデル
第7章 シミュレーションによる設計検証
第8章 MBSE/MBDの導入事例
第9章 MBSEにおけるMBDの位置付け

著者等紹介

西村秀和[ニシムラヒデカズ]
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。1990年3月、慶應義塾大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了。工学博士。1990年4月に千葉大学工学部機械工学科助手、1995年に同助教授、2007年2月~3月に米国のバージニア大学(University of Virginia)訪問准教授、2007年4月に慶應義塾大学教授に就任。モデルベース・システムズエンジニアリング、システム安全、制御システム設計などの教育・研究に従事

藤倉俊幸[フジクラトシユキ]
dSPACE Japanソリューション技術部テクニカルフェロー。1997年9月、埼玉大学理工学研究科後期博士課程修了(社会人枠)。博士(学術)。組み込みシステムに関するコンサルティングに従事する。2013年4月よりdSPACE Japan、テクニカルフェロー。INCOSE会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

vinlandmbit

29
図書館本。モデルベースでのシステムズエンジニアリングについて学べます。2022/03/03

YUJIRO

3
SysMLを用いたMBSEについて解説。目的とそれに基づく要件定義を明確にすることが一番のポイントだと思った。また、複数のドメインにまたがるシステムではポントグラフに基づく普遍的なモデルを用いて専門外の領域でもアナロジカルな理解が可能となる開発が可能である。2020/02/02

monotony

3
システム「ズ」エンジニアリング、この「ズ」がポイント。一つのシステムをシステム・オブ・システムズと捕らえて、ハードやソフトという切り分けをする前の段階で各々専門家が共通基盤の上で議論しようという目論見。あまり注目されない分野だが大事なことのように思う。そのためのモデリング言語であるSysMLの記法についてはほとんど説明がないので、まずはSysMLそのものを理解してから読んだ方がいいと思う。そうじゃないと深く理解できない。2017/02/13

YUJIRO

2
後工程での手戻りを少なくするためには、要求を正確に定義し、システムのスコープを適切に制限する必要がある。世級の洗い出しやシステムの構成を考えるうえで、SysMLが有効となる2020/03/06

YUJIRO

2
関係者の間で認識を合わせるために共通言語としてのモデルを用いる。要求分析から順に詳細度を上げていくことで、上位のモデルが、下位のモデルの仕様書となり、モデルの目的が明確となる。単に「動く仕様書」があるだけでは、根拠が分からず、改変や応用ができないということ。仕事で経験を重ねるごとに読み返すと、納得できる部分も多くなる(まだ理解しきれていない部分が多いが)。2020/02/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9759543
  • ご注意事項

最近チェックした商品