スイスの凄い競争力

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  • サイズ B6判/ページ数 695p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822250508
  • NDC分類 335.234
  • Cコード C2034

出版社内容情報

ハイジの国からネスレ、ウォッチ、UBSといった世界企業を輩出するイノベーション大国へ変身した秘密に米国人ジャーナリストが迫る

ドイツ、フランスという豊かな大国に囲まれた貧しい山国スイスは、中世には他国の戦争で活躍する傭兵が主な輸出品だった。現代のスイスは、時計(スウォッチ、オメガ、ロレックスなど)、食品(ネスレ、リンツ)、エンジニアリング(ABB),金融(クレディ・スイス、UBS、チューリッヒ・ファイナンシャル・サービス)など世界的な企業を多数生み出している豊かな国である。そうした変化の原因は何かをスイス企業の歴史を素材に、スイス在住の米国人ジャーナリストが書き下ろした。 
秘密の一端は、起業家精神を生む地形にある。スイスでは多くの地域が孤立していて、固有の社会構造や特性を備え、教派も異なる。結果として、様々な地域で様々な製品が生み出され、それぞれが交易で結ばれてきた。
もう一つは、開放性。世界から迫害の逃れた移民らが集まり、海外へ出て行く人も多い。ドイツ生まれのハインリヒ・ネスレは世界的な食品メーカーを起業し、時計産業を発展させたのは、フランスからルイ14世の迫害を逃れてきたユグノーだった。外で活躍したのは、リッツ・カールトンの創業者セザール・リッツ、建築家ル・コルビュジュなどがいる。

第1章 すべてはミルクから始まった
第2章 時計メーカー --いいタイミング
第3章 スイス観光
第4章 スイスの静かなトレーダー
第5章 ナンバー・アカウント:膨大な利益
第6章 利益の変動
第7章 小さな奇跡:医療技術の驚異
第8章 強力な工業機械
第9章 医薬品
第10章 運輸

【著者紹介】
R・James Breiding スイス・チューリッヒの投資会社ナイサンス・キャピタルの創業者。大手監査法人プライスウォーターハウス・クーパース、テンプルトン・インベストメント、ロスチャイルド・コーポレートファナンスの幹部を歴任。ハーバード・ケネディスクールとIMD(ローザンヌ)で修士号。英エコノミスト誌にスイス関連の記事を寄稿。ゲアハルト・シュワルツ博士との共著に‘The Swiss Economic Wonder’がある。スイスと米国の国籍を持っている。

内容説明

ネスレ、スウォッチ、フェデラーだけじゃない!傭兵を輸出する山国から世界のイノベーション大国へと「飛躍」したハイジの国の秘密をスイス在住ジャーナリストが描く。「国そのものがブランド」スイスのおもしろ経済史!

目次

すべてはミルクから始まった
時計製造―好機をつかむ
スイスの観光産業―雪や空気を売る
スイスの静かな商人たち
ナンバーアカウント―莫大な利益
利益を紡ぎ織る
小さな奇跡―医療技術の驚異
スイスの強力な産業機械
医薬品―売るための知識
スイスの輸送―移動を実現する
レンガとモルタル
スーパーコンピュータからマウスまで
美のビジネス―芸術と建築
スイス流―なぜ多国籍企業はスイスを好むのか
結論―スイスになる

著者等紹介

ブライディング,R.ジェイムズ[ブライディング,R.ジェイムズ] [Breiding,R.James]
チューリッヒの投資会社ネサンス・キャピタルの創業者。ハーバード大学ケネディスクールと、IMDで修士号取得。公認会計士。プライスウォーターハウス、ロスチャイルド・コーポレートファイナンス、テンプルトン・インベストメント・マネジメントに勤務。エコノミスト誌のスイス特派員を務め、現在はフィナンシャル・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルなどに寄稿している

北川知子[キタガワトモコ]
翻訳者。奈良女子大学大学院修士課程(社会学専攻)修了。国立国会図書館勤務を経て翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

154
私は40年近く前にスイスにいたことがあり、そのときにはかなりすごい国だと思った覚えがあります。観光と時計と銀行というイメージが先行していますが、むかしから大国のはざまで生き抜いてきた数百年にわたる知恵があるということが実際の話で語られています。ネスレをはじめとした食品、化学、重工業などに結構力を入れています。最近の状況を確認することができました。2017/05/14

Willie the Wildcat

24
様々な業界、規模の企業の成功・失敗談から垣間見る政府の立ち位置と企業の起業家精神。永世中立国及び地理的位置づけも逆手に取った商法。資源は人、そして”自由”。前者はDiversityの総力、後者は”EU”。特に、EUに属することなく、EU圏の好立地なのがミソかもしれない。一方、IP、金融、税優遇制度などにおける”独自路線”。批判の対象とならないスイス故の背景の深堀りが欲しかった。アメリカと共に、スイスももれなくMelting pot!EU各国は如何に捉えているのやら・・・。2015/02/25

とす

3
長い。表紙のデザインに対して内容が難しかったけれど、これは自分の無知に原因があるかもしれない。実在する、もしくはした企業を取り上げて話が進むが、スイス企業で名前を知っていたのはロレックスとスウォッチとネスレだけ。とはいえこの本で初めて名前を知った企業でも、まだ覚えているのもある。医薬品のロシュとか。スイスという国を「空母」であるべき、と定義した文が記憶に残っている。山に囲われた狭いスイスだからこそ、優秀な人材を育て上げなければならないという話はよく分かった。2015/04/13

☆ツイテル☆

2
フライヤー2021/12/03

まめタンク

2
2020年95冊目。スイスはヨーロッパの中央に位置するから成功したというステレオタイプ的な発想が間違いであると痛感します。本書を読むと、ネスレやスウォッチといったメーカーが世界的に成功した理由が地理的な条件よりも、より優秀な経営者と戦略によって成り立っている事が分かります。キットカット=ネスレですが、あれも買収した会社の製品。この本で個人的に一番学んだのは偶然的な要素で成功する訳ではない事です。スイスが成功したのはスイス自身の成功ですし、日本が失われた20年と言われるのも日本自身の失敗だと思います。2020/03/02

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