出版社内容情報
「香港ランタオ島の空港から東莞虎門鎮行のフェリーは、ターボジェットの双胴船だった。虎門鎮までおよそ八〇分」という書き出しの第1章は、アヘンの輸入港として栄えた広東省東莞市のルポルタージュ。アヘン戦争で当時の清帝国が英国に屈服したのが、中国の屈辱の「近代」のはじまりであった。その史実をたどりながら、2030年米中逆転という中国の復活劇の将来を見通す。
経済を支えるのは、風土であり、思想である。そうした視点で江戸時代の藩を訪ね歩いて名著『日本経済の故郷を歩く』(2000年、いまは中公文庫)をものにした著者が、ト小平の南巡講和の1992年から一気に経済的飛躍を遂げつつある社会主義・中国の「資本主義」の源流を実際に歩いてまとめ歴史思想読み物。
●商売の語源、商(殷)があった河南省安陽市の殷墟
●春秋五覇の斉の桓公に仕えた世界最古の実践的エコノミスト管仲の故郷、山東省ユハク市
●毛沢東の故郷・湖南省ショウ山市ーーなどウズベキスタン共和国サマルカンドと台湾まで含む計40都市が収録されている。
"その1:「虎門●煙」広東省東莞市
その2:「鬼神哭泣」河南省安陽市
その3:「一樹百獲」山東省ユハク市
その4:「演陣斬姫」湖北省荊州市
その5:「商家始祖」江蘇省無錫市
その6:「金声玉振」山東省曲阜市
その7:「小国寡民」:河南省鹿邑県
その8:「紙上誤兵」山西省晋城市
その9:「造福万代」四川省都江堰市
その10:「倒言反事」:陝西省カン陽市
その11:「胡服騎射」:河北省邯鄲市
その12:「史筆昭世」:陝西省韓城市
その13:「散●均利」:山西省運城市
その14:「教弩松陰」:安徽省合肥市
その15:「寧静致遠」:浙江省諸葛村
その16:「「馬踏飛燕」:甘粛省武威市
その17:「四世同堂」:福建省永定県
その18:「荒淫無道」:江蘇省揚州市
その19:「兼聴偏信」:山西省太原市
その20:「怪力乱神」:江西省貴渓市
その21:「伝法東渡」:江蘇省張家港市
その22:「先憂後楽」:安徽省銅陵市
その23:「●飛魚躍」:江西省星子県
その24:「四海兄弟」:ウズベキスタン共和国サマルカンド市
その25:「官民競市」:江西省景徳鎮市
その26:「江湖義気」:安徽省鳳陽県
その27: 「四夷朝貢」:雲南省晋寧県
その28:「満街聖人」貴州省修文県
その29:「●通天下」:山西省晋中市
その30:「恩威併用」:遼寧省撫順市
その31:「戒急用忍」:河北省承徳市
その32:「楽善好施」:安徽省ジョ県
その33:「男行女行」:広西壮族自治区金田村
その34:「完満無欠」湖南省双峰県
その35:「真不二価」:浙江省杭州市"
【著者紹介】
企業倫理のコンサルティング会社、シリウス・インスティチュート代表。1969年東京大学法学部卒業。大蔵省(現財務省)入省。広報室長、在フランス大使館参事官、副財務官、国税庁次長、国土交通省国土交通審議官などを歴任。著書に『イカロスの墜落のある風景』『日本経済の故郷を歩く』『新日本永代蔵』『荻生徂徠の経営学』『古典に学ぶ経営術三十六計』など。
内容説明
「2030年、GDP米中逆転?!」中国は世界を主導しえる?共産党支配国家の「深層の深層」を探る異色ルポ。覇権をめざす巨龍の広大な国土を訪ね歩いて、経済思想の源流を探る。
目次
中国、屈辱の「近代」―「虎門銷烟」広東省東莞市
文字、思想の原点―「鬼神哭泣」河南省安陽市
世界最古のエコノミスト兼名経営者―「一樹百獲」山東省〓(し)博市
兵法家の経世論―「演陣斬姫」湖北省荊州市
市場をみる千里眼―「商家始祖」江蘇省無錫市
商売上手な孔子の高弟―「金声玉振」山東省曲阜市
老子の「市場経済」論―「小国寡民」河南省鹿邑県
戦国最強軍団の「死地」―「紙上談兵」山西省晋城市
二三〇〇年前の公共事業―「造福万代」四川省都江堰市
韓非子の「合理的経済人」仮説―「倒言反事」陝西省咸陽市〔ほか〕
著者等紹介
舩橋晴雄[フナバシハルオ]
経営思想・企業倫理に関するシンク・タンク、シリウス・インスティチュート代表。1969年東京大学法学部卒業。大蔵省(現・財務省)入省。広報室長、在フランス大使館参事官、副財務官、国税庁次長、国土交通省国土交通審議官などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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