目次
第1部 「成長の罠」を暴く(成長の罠;創造的な破壊か、創造の破壊か? ほか)
第2部 過大評価される成長株(バブルの罠―市場の多幸症をどう止め、どう避けるか;新興の中の新興に投資する―新規公開株(IPO) ほか)
第3部 株主価値の源泉(金をみせろ―配当とリターンと企業統治;配当再投資―下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセル ほか)
第4部 高齢化をめぐる危機と世界経済の力学シフト(過去は未来のプロローグか?―株式の過去と未来;変えられない未来―目前に迫る高齢化の波 ほか)
第5部 ポートフォリオ戦略(世界市場と国際ポートフォリオ;未来に向けた戦略 D‐I‐V指針)
付録 S&P500当初構成企業の変遷とリターン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
72
インデックス投資を勧めながらも、+αの話があって勉強になりました。2023/01/29
sayan
30
本書は長期投資(longterm)が株式の価値を支えると説く。市場は恐怖に揺れ短期は読めない。だが企業の利益構造や制度への信頼こそが最終的にリターンとなる。感情を排し蓄積に賭けるリアリズム。対照的にトランプ政権は相互関税を薬と呼び信頼による長期に対し、強制による長期を掲げる。Dealを強いる力の論理は逆に未来の不確実性を深め最後を小説The Mandiblesが描く通貨の無効化、国外資産の封鎖、資産を失う中間層。人は未来を描く力そのものを失う。 信頼なき国家か信頼できる構造か。リターンはその選択の帰結だ。2025/03/07
kanaoka 57
13
インデックス投資を基本にして、時の試練に耐えてきた高配当、低PERの買持ちに徹すること。下落相場においても配当再投資を繰り返す事で、極めて高いリターンが得られる。 企業の成長率・収益率の高さと、投資リターンとは異なる。株価に織り込まれている高い期待収益は、高いハードルとなり、リターンを悪化させる(成長の罠)。進歩の恩恵は、消費者として享受し、決して投資家として手を出さない(IPOの早い段階で、ベンチャーキャピタリストとして手を出さない限り)。2019/11/14
マレオン
12
投資に興味が出てきて手に取った。個人投資家がネットでよく言ってる、初心者に伝えたいこと、みたいなことと内容は共通が多い。そういう意味では真新しさは無いのかもしれんが、それだけ重要ということか。itなど目立つ成長ぶりに釣られる投資家が多いが、割高で買って損をする成長の罠に陥ること多い。成長の罠という言葉は本書で何度も目にするが、手を出す気持ちは分かる。そもそもインデックスでなく個別銘柄に手を出すのも、似たような心理だろうし。2025/02/01
moto
12
ジュレミー・シーゲルの著書で、通称「赤本」とよばれています。データに裏打ちされた主張には説得力があり、株式に投資し続けることの意味、成長≠リターンである理由、配当再投資の重要性、設備投資に積極的な企業は低リターン、など多くの投資家が持っているイメージと、データから見た結果のずれに気付かせてくれます。ウォール街のランダム・ウォーカーは、市場に勝とうとするのは無意味というスタンスで、様々な投資方法を乱暴に切り捨てているところがありますが、この本を読んでいればもう少し公平な見方で判断することが出来るでしょう。2019/08/14