勝者のＩｏＴ戦略

小林 純一【著】

日経ＢＰ（2016/05発売）

• サイズ B6判／ページ数 229p／高さ 20cm
• 商品コード 9784822237196
• NDC分類 547.48
• Cコード C0034

出版社内容情報

IoTによる変化がどのように進んでいくのかを見極め、今までにないサービスを生み出す勘所を解き明かす。誰もが知っているIoTの
誰も知らないマネタイズの秘訣。

IoT（Internet of Things）という言葉が、新聞や雑誌、インターネットなどで頻繁に見られるようになった。IoTを、毎年現われては消えていく流行語の1つと考えると非常に危険であり、大きなチャンスを逃してしまう。産業革命やインターネット革命のように、IoTは世界を大きく変える可能性を秘めるからだ。IoTを「モノのインターネット」としてだけ捉えていると、この技術の持つ本質が見えてこない。IoTは、センサーや無線通信などを使い、現場の状況を遠隔地から把握し続けること、すなわち「千里眼」に相当する機能を実現する。現在の状況が手に取るように把握できるだけでなく、「近い将来何が生じるのか」など、その予兆を把握することさえ可能だ。それにより、これまでにないような付加価値の高いサービスを生み出せる。本書は、IoTによる変化がどのように進んでいくのかを見極め、今までにないサービスを生み出す勘所を解き明かす。

【序章】千里眼を手に入れよう
IoTは言うは易し、行うは難しか？
IoTは今、黎明期ならではの混沌、だからチャンス　

【第1章】日本を取り巻く現状、IoTは時代の必然
アベノミクス3年目の状況―投資が不足している！
高まる産業界の期待
期待を実現するための戦略を
歴史から戦略を学ぶ
モジュール化は欠かせない
第1次インターネット革命―パソコン
非競争領域と競争領域を見極める
アマゾン・ドット・コムが目を付けたところ
第2次インターネット革命―モバイル
共通プラットフォームは量を質に転化する
IoTによって、企業はどう変わっていくのか

【第2章】成功した先行事例に学ぶ
駐車場を簡単に見つける
サービスの信頼性とセキュリティー
データセンターの消費電力を下げる
手離れの良さが評価され受賞
25年前からIoTを実現していたエマソン
業界標準 ワイヤレスハートとして結実
IoTの近距離ネットワークに要求される機能は5つ

【第3章】まず製造業に使われる
ドイツの国策、インダストリー4.0
「つながる」「代替する」「創造する」
GEがIoTで事業の定義を変えた！
ソフトウエアで稼ぐ企業に変身
対象はジェットエンジンだけにあらず
日本の製造業はどう対応すべきか？
予期せぬ故障の予兆を見つける
金属物の傷や摩耗を検出
人工知能を使った生産性向上にセンサーデータを活用

【第4章】予算制約の中で、交通インフラを守る
笹子トンネル事故の教訓
コストが掛かる既存の検査方法
点検とモニタリングは両輪
モニタリングに対する3つの杞憂
限られた電池を使い切る技術を駆使
確実な判断に、取得したデータが威力を発揮

【第5章】自然災害からあなたを守るIoT
地震後の建物、安全性をどう見極める？
センサーと無線通信が救う
センサーネットワークが地震予知に道
土砂災害を予見する
災害発生源にセンサーを設置
水害を管理する
水害の被害はIoTで軽減へ

【第6章】位置情報がお金を生むようになった
屋内の位置把握は発展途上
屋内測位の手法、スマホの機能をフル活用
携帯電話基地局やWi-Fiアクセスポイントはどこまで活用できるか？
BLEが加わり、すべてがそろう
電子マップは誰が維持管理するのか？
検討が進む、屋内電子マップの維持管理方法
全てのビーコンを常に管理するには？
全てのビーコンをIoTデバイスにすればよい
医療サービスの質と効率向上
作業員の安全と生産性の確保　

【第7章】農業＋IoTでTPPも怖くない
日本の食はノウハウの賜物
TPPがIoT農業の扉を開く
オランダに見る農業の未来
センサーによる大量の環境データからビッグデータ解析
農業は第6次産業の創出を加速
間違いなく広がる、農場でのセンサーネットワーク導入


小林 純一［コバヤシ ジュンイチ］

内容説明

ＩｏＴの本質は、未来を見通す千里眼。価値あるサービスを創造し、自社の強みをマネタイズする秘訣がここにある。

目次

序章　千里眼を手に入れよう
第１章　日本を取り巻く現状、ＩｏＴは時代の必然
第２章　成功した先行事例に学ぶ
第３章　まず製造業に使われる
第４章　予算制約の中で、交通インフラを守る
第５章　自然災害からあなたを守るＩｏＴ
第６章　位置情報がお金を生むようになった
第７章　農業＋ＩｏＴでＴＰＰも怖くない

著者等紹介

小林純一［コバヤシジュンイチ］
リニアテクノロジーダスト・エバンジェリスト。１９８４年３月、京都大学卒。京セラ、ロジックシステムズインターナショナル、九州日本電気ソフトウェア、インモス・ジャパンを経て、２０００年１１月にリニアテクノロジーに入社。地域統括セールスマネジャーとして東日本における同社アナログＩＣの販売活動を統括。対象市場は車載、産業、通信業界、その他全般にわたる。２０１３年２月に、ダスト・エバンジェリストとしてＤｕｓｔ　Ｎｅｔｗｏｒｋｓ製品のマーケティング活動およびＴＳＭＰ（Ｔｉｍｅ　Ｓｙｎｃｈｒｏｎｉｚｅｄ　Ｍｅｓｈ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）の啓蒙活動を開始し、現在に至る（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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[mazda]

2020年までに全世界で500億台のIoTデバイスがつながり、大きな経済効果を生み出すと言われています。ただ、IoTにも課題は多く、ビッグデータの解析技術者不足、データセキュリティの担保、バッテリ問題など多々あります。IoTと言っても、センサと通信デバイスの組み合わせに違いはなく、24時間365日確実に動作することをいかに保証するかについて、ダストネットワークが1つの答えになる、ということです。ドイツやアメリカが産官学共同でシステム構築を行っている中、日本も遅れないようにしないといけないと思います。

2016/06/11

[まゆ]

前向きな気持ちで読んだ。セキュリティの問題、電池の問題など。ぱっと何に使えるかは思いつかないけど、意識して生活していたら、いっぱい使いたいところは出てきそうだと思った。

2017/02/09

[tokkun1002]

2016年。もののインターネットであるIoT。製造業ではどんな具体的な方法があるのか、それを知るために読んだ。しかし本書にはヒントがなかった。広く浅くの導入編。

2016/12/25

[みぎつた]

久しぶりに本を読んだ。バズワード IoTの勘所が押さえてあり、かつ具体的な事例を交えて読みやすい文章になっている。獺祭もIoTの賜物だとは知らなかったが、まだITが入っていない生産の分野にこそチャンスが眠っているように感じる。

2017/03/01

[ken123]

Soso! いまいち。戦略論ではなかったと思う。もう少しIoTビジネス戦略的な話やモデルケースが出てくるものと期待して読んだ自分にはマッチしなかった。

2017/11/12