出版社内容情報
いま、日本企業は、これまで優秀と見なされてきた人材とは明らかにタイプの異なる人材を追い求めている。
その背景には、デジタル革命、新事業の創生、インクルージョン・日本の企業が対応しなければいけないテーマが、これまでとは異なる新しいものへと変質した事情がある。
デジタル・トランスフォーメーションを実現する人材、事業を創造する人材などは、多くの日本企業がこぞって欲する新しいタイプの人材であり、日本における市場価値も極めて高い。また、環境変化をリスクでなくチャンスにできる経営人材も、多くの日本企業が追い求めるタレントになっている。
一見、様相を異にするこれらの人々だが、物事を抽象化・相対化させる思考能力と不確実さと曖昧さを楽しむメンタリティーを持ち、変化に素早くリアクトする特性があるといった具合に、その根幹には幾つも共通項が存在する新種の人材といえる。
問題は、こうしたタイプの人材は日本において希少性が高い上に、どの企業も欲しているためそう簡単には見つからず、採用するとなると多くの困難が付きまとう点にある。
本書では、日本企業が喉から手が出るほどに欲している人材の姿を具体的に明らかにし、そうした人たちがどこに存在しているのかを論じていく。また、本書のタイトルとしている「人材トランスフォーメーション」が象徴しているように、日本企業が新種の人材を社外に求めるのではなく、社内で内製しようとするような、人材マネジメントのメカニズムを根本から変革する必要があることを説く。
同時に、自分のエンプロイアビリティーを高めていきたいと考えている人びとにも、今後のキャリア形成の羅針盤として活用いただくことができる、『エンゲージメント経営』著者による第2弾。
内容説明
企業が反転攻勢に出る時、これまでとは違った性質を持つニュータイプ人材が、あたかも変革のスイッチを入れる起爆剤のごとく必要になる。
目次
第1章 日本企業が追い求める新種の人材(人材論、新時代の幕開け;「このままの人材では勝てない」という、日本企業の危機感;理想とする社員像の大きな変化;新しい世代の旗手として)
第2章 先の見えない将来を切り開く、次代の経営者(現役の経営者が、次代の経営者に望むこと;次代の経営者が備えているべき資質;日本企業の経営者候補に欠けているもの)
第3章 新しい事業を生み出す事業創造家(新しい事業を世に生み出す人々;普通の人たちとの違い;彼らが活躍するために必要なこと)
第4章 デジタル・トランスフォーメーションを実現する人材(デジタル・トランスフォーメーションという幻想;結局、日本企業にはどんなデジタル人材が必要なのか?;デジタル人材を獲得するために)
第5章 いまこそ、人材トランスフォーメーションを起こす時(新種の人材に共通する特性;日本企業の人材トランスフォーメーション)
著者等紹介
柴田彰[シバタアキラ]
コーン・フェリー組織・人事コンサルティング部門リーダー。慶應義塾大学文学部卒。PWCコンサルティング(現IBM)、フライシュマンヒラードを経て現職。大企業を主なクライアントとし、組織・人事領域の幅広いプロジェクトを統括。近年は特に、全社的な人材戦略の見直し、社員エンゲージメント、経営者のサクセッション、人材マネジメントのグローバル化に関するコンサルティング実績が豊富(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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