芥川龍之介研究資料集成(全11巻セット) 〈第1期〉 - 全10巻・別巻1

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芥川龍之介研究資料集成(全11巻セット) 〈第1期〉 - 全10巻・別巻1

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  • 商品コード 9784820592563
  • Cコード C1395

出版社内容情報

関口安義編
第Ⅰ期[全10巻/別巻1]
A5判・上製函入・各巻平均380頁

セット本体82,000円
各巻本体7,700円
別巻本体5,000円

文壇への華々しいデビューを果たし、爾来わずか十余年にして作家としての生涯を断った芥川龍之介の研究資料群。
大正初期の文壇デビューから昭和初期に至るまでの芥川に関する研究、評論、随想、座談会等々、計658編を厳選して収録。
芥川龍之介研究にとって不可欠な第1次資料の集大成!

編集方針・校訂基準〔略〕
1.本集成は、芥川龍之介の著作および芥川龍之介について書かれた作家・作品論(研究論文・評論)・随想・座談会・書簡・記事・書評その他の資料を収録する。
2.資料収録年代
芥川龍之介について言及の最も早い大正4年8月から昭和8年7月までを収める。
3.排列
ジャンルを問わず発表年月順とし、芥川龍之介の作品がいかに読まれ(受容・観賞)、いかに評価・研究されて来たかを年次的に展望できるよう意図した。
4.収録篇数
全658篇を収めた。
5.底本
原則として初出・初刊本によった。
ただし芥川龍之介 のみを対象とした単行本は、目次・序文等の抄録にとどめた。
6.校訂
表記は原則として次の基準によった。
①漢字は新字体とした。
ただし原則として書き替え字は避け、俗字等も活かした。
②仮名づかい・送り仮名は底本どおりとした。
③句読点・傍線・などはすべて底本どおりとした。
④ルビは、総ルビのものは特別の訓み、難読のもの等を除いて省略した。
⑤誤記・誤植等も底本のママとした。
ただし、人名その他明らかな誤りには右傍に「ママ」と注記あるいは誤植の次に〔 〕付きで正しい文字・語句等を補なった。
7.各巻に「解説」を付し、編集意図・解題などを詳述する。
8.別巻には①芥川龍之介研究史I②同著作目録③文学地図④第I期総目次⑤第I期執筆者索引を収める。


『芥川龍之介研究資料集成』によせて

一時代を代表する作家
ドナルド・キーン
芥川龍之介は生前から神のような存在に思われていて、評論家は勿論のこと、一般の読者も芥川を文学の理想を担う人物として意識していた。
というわけで、芥川の自殺は日本国民全体の一大事であったと言ってもよかろう。
それ以来、日本人の作家が何人も自殺したが、そのために筆を捨てたとか、文学の価値を疑うようになったという作家の話を聞いたことがない。
こういう意味では芥川は一時代を代表するような作家であり、芥川に関する資料を読むことは、その時代をよりよく理解することになる。
又、時代と共に芥川の作品の読み方は自然に変わってきて、文壇の動静ばかりでなく、社会全体の移り変りを知るには、極めて貴重な鍵になる。
「芥川龍之介研究資料集成」の発行を大いに期待している次第である。              (日本文学研究家)

みずからの悲劇のように
松本健一
芥川龍之介の文学的生涯がわたしたちに語ってくれるものは、近代日本の文学が、いやもっと言って、近代日本の〈知〉が、どれほど爪先立って西洋近代と立ち向わなければならなかったか、という悲劇である。
芥川の足もとには「下町の、水どろは青き溝づたひ」が横たわっており、一方、かれの目のまえにはゲーテやロダンが見えていた。
芥川は、その双方に引き裂かれるように屹立している。
それゆえ、わたしたちは芥川の文学を、みずからの悲劇をのぞきこむように、共感し、怖れ、身悶えするように読んできたのだった。
(評論家) 

芥川に新しい評価を
小田切進
―〈現代作家〉として海外でも注目―
芥川龍之介が夏目漱石とともに、日本人の間で衰えることなく、今なお広く読まれ、愛されていることは広く知られるとおりである。
没後半世紀をこえる歳月が流れているのに、卓抜した彼の文学は今も生き生きしていて、いささか も古びていない。
古典の条件とは、時代が変ってもつねに新しい生命をもち、光彩を放つものだというなら、芥川は既に近代の古典作家になった、と言っていいだろう。
とくに近年は国際的に注目され、現代の不条理性に鋭く迫った〈現代の作家〉として高い評価を受けるようになった。
「羅生門」「鼻」によるデビューいらい、芥川にはおびただしい論評、作家・作品論、記事などがある。
芥川研究ですぐれた実績をもつ関ロ安義氏が、その中から主要なものを網羅して集大成を編むから、今後ながく、はかり知れないほどの恩恵を受けるだろう。
(故人・執筆時=立教大学名誉教授・日本近代文学館理事長)

芥川研究への新鮮な切り口を
紅野敏郎
作家・作品研究には必らず同時代批評及び後代のさまざまな先学の論文を読み、それを十分わが肉体において消化し、整理の上、新しいわが見解を提出せねばならぬ。
それは先行文献への挑戦といってもいい。
芥川龍之介の場合は、彼の研究自体がみずからの文学観の問いなおしになり、近代文学研究そのものの先端、ということになる故、先行文献の整理がそのまま挑戦へのバネの役割を演ずる。
没後早々の時期に、日向堂時代の「新しき村」主催の追悼遺墨展が開かれたが、その小さなパンフレットひとつ眺めても、その時点における芥川資料のありようが実によくわかる。没後のおびただしい追悼文とともに必須のものであり、芥川の文学展のはしりと私は位置づけたことがある。
 関口安義氏の的確な整理によって、藪の中に入りがちな芥川研究の、新鮮な切りロが、これを契機に噴出するであろう。
(早稲田大学教授)

逢うことの愉しみ
芥川瑠璃子
平成四年、龍之介の生誕百年ということで、さまざまな催事が沢山ありました。
前年よりの文学碑建立など含めて数えてみますと六回に渉り、その都度伺うことになりました。
が、龍之介没時、私は数え年の十二歳でしたから、叔父の記憶といっても断片的なものばかりで、ご期待に添えなかった部分が多々あることと思います。
芥川の家族とは、龍之介の養父道章、その妻儔(とも)、伯母のフキ、龍之介の妻文(ふみ)、三兄弟の比呂志、多加志、也寸志とはいとこ同志でしたから-ともに過した期間もながく-憶い出は鮮明ですが、叔父は既に当時の流行作家で、田端の家を訪れても仕事中か来客中で、偶にしか逢う機会もなかったわけです。
ただ、家庭人として垣間みる趣味、嗜好など述べますと、あの死の前日、座敷を掃除していた妻の文を呼びとめて、好きだった花札をした、という話、好きな花はグラジオラス(これはお墓詣りの際、みつけては供えるようにしています)、煙草は敷島や朝日が多く、野菜は殊にトマトが好きで、お魚は手間がかからず喰べられる鰤やお刺身がよかったようです。
没後、遺された作品を読んだり、描かれた絵など観て、ひとりの芸術家としての龍之介像をつくりあげているわけですが、研究者の方々の文献や事典などで、未知の智識に触れるたび、興味つきないものがあります。
この度の「芥川龍之介研究資料集成」刊行によって、また新たな龍之介にめぐり逢えることを、愉しみにしております。

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