内容説明
多くの人に親しまれ、作品にもよく取り上げられる万葉集の中から百首を選び、四人の先生に百通りの書き方で作品にまとめていただき、半切、懐紙、半懐紙、色紙、短冊、扇面の順に並べて掲載しました。右ページに写真版で作品例、詩句、釈文、漢字の行草体を示し、左ページには一句に一つの古典の集字を示しました。古典は代表的と思われる高野切古今集第一種、粘葉本和漢朗詠集、関戸本古今集、香紙切、藍紙本万葉集、元永本古今集の六つを選びました。
目次
苦しくも降り来る雨か三輪が崎
夕されば小倉の山に鳴く鹿は
旅人の宿りせむ野に霜降らば
朝影にわが身はなりぬ玉かぎる
家にあれば笥に盛る飯を草枕
新しき年の初めに思ふどち
大海に島もあらなくに海原の
燈火の影にかがよふうつせみの
ももしきの大宮人は暇あれや
秋の野のみ草刈り葺き宿れりし〔ほか〕