内容説明
なぜかくも陰惨な闘争が続いたのか。東京大学史料編纂所教授の新解釈。人気歴史学者が定説・新説を覆す。誰が「頼朝の助命」を嘆願したのか。「実朝の首」はどこに消えた?『吾妻鏡』が書かない「粛清劇」
目次
第1章 鎌倉時代の武士の謎
第2章 鎌倉幕府を分析してみた
第3章 人物像を掘り下げる
第4章 古文書抜きに日本史は語れない
第5章 「実証」と「推測」
第6章 歴史研究者を悩ませる「自作自演」
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
東京大学史料編纂所教授。1960年、東京都生まれ。東京大学文学部、同大学院で石井進氏、五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史、古文書学。博士(文学)。史料編纂所では『大日本史料第五編』の編纂を担当。2016年、『現代語訳吾妻鏡』(全巻17冊、吉川弘文館)で第70回毎日出版文化賞(企画部門)を五味氏らと受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えぬ氏もわるよのぉ
10
承久の変で後鳥羽上皇は「義時を打て」とは言ったが、鎌倉幕府そのものを倒す気は無かったという説が最近あるが、著者はその説に異を唱える。根拠を読むとなるほどと思う。 『義経記』で義経を持ち上げるために憎まれ役にされてる梶原景時を高く評価している。反対に義経に対しては点が辛い。まあ僕も、戦の天才なんて評価は本当かなと思ってるが。 文書の書き方の当時の決まりごとの話も興味深かった。2023/06/16
kenitirokikuti
9
再読(初読時未レビュー)。鎌倉時代は本郷せんせの専門分野だし、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』前後のエッセイだし、細かさに追いつけず初読時には消化不良だったなぁ。再読までに千葉県の歴史を鍛えていたので、今度はもう少し理解できた。やっぱ戦前の社会は中央集権的なものだった、という思い込みが強すぎなんだなぁ。頼朝が死んだ後の梶原景時に対して、本郷せんせは秀吉が死んだ後の石田三成を置いてるけども、レーニン没後やスターリン没後みたいなのをイメージすべきなんだろな。2023/10/25
ミナ
5
産経新聞に掲載されてたやつかーと買ってからなった。古文書学の話は大学生に戻った気分になった。伝統と文化がある日本ではおいそれと型破りなことをすると顰蹙もので相手にされなくなるものね。手紙一つも大変!2023/07/09
ファイロ・ヴァンス
1
吾妻鏡を読んだ後に この本を読む事をお勧めしたい。 と言うのも、??と思う様な箇所でも 学者先生の補助的な指摘に『なるほど!そう言うことね!』と後になってから理解出来る箇所が何箇所もあり 非常にためになった!! 特に共感できるのは、やはり北条政子の薄情さと、 梶原景時と石田三成との共通項など 楽しく読ませてもらった。 最後の資料掲載の金額やギャラの話が出た所などは思わず笑ってしまった(笑)2024/09/09
みゃむ
1
図書館本。本郷先生の新刊。最初は鎌倉幕府に対する持論。最後は古文書学についての講義。論文というより語り口調で本郷先生の話や講義を聞いているようだった。本郷先生の本は読みやすくて好きだな。2023/09/30