内容説明
大正十年、皇太子であられた昭和天皇が、皇室史上初めて欧州をお訪ねになった。御召艦「香取」艦長としてその大役を果たしたのは、沖縄出身提督、漢那憲和。退役後は、民政党代議士としてシビリアン・コントロールを提唱し、賛軍派とことごとく対立する。昭和天皇は、深い御心で漢那を支援された。埋もれた戦前史を照らす衝撃と感動の書。
目次
第1章 少年時代(賢母と恩師;校長排斥ストライキ事件)
第2章 ハイカラ海軍士官(黄金の日々;明治青年のロマン;航海術の権威;海軍難役と大正の暗雲)
第3章 反骨政治家(怒涛の昭和;沖縄丸の船頭;しのぶよる暗影)
第4章 有終の美(試練;悠久の大義へ)
著者等紹介
惠隆之介[メグミリュウノスケ]
1954年、沖縄コザ市生まれ。78年、防衛大学校管理学専攻コースを卒業。79年、海上自衛隊幹部候補生学校(江田島)、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。82年退官(二等海尉)。その後、琉球銀行勤務、米国国務省プログラムにて米国で国際金融等研修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桃水
6
2011/05/06:明治から昭和にかけて活躍された沖縄出身の海軍軍人(のち政治家)の人物伝。 不勉強で存じ上げませんでしたが、こういう方がいらしたのですね。2011/05/05
もちもち
3
先見の明があり、周りに流されることもなく信念を貫く提督であり政治家であるという印象。 郷土の偉人のエピソードが現在の左派の影響が強い沖縄の教育では教えられていないであろうと思われるのが悲しいね。 なお、著者も沖縄出身。2021/07/29
ELW
0
ところどころサンケイだが、皇室と沖縄のことや、沖縄が日本に組み込まれていく 時期の事柄で知見が広がったことは有意義だった。2013/04/28
rytryt
0
近代から昭和前期に至る沖縄の歴史に触れられる作品、といったところです。2023/07/08
oooともろー
0
沖縄出身の漢那憲和。全く知らなかった。産経らしい記述も散見されるが、概ね中立。気骨の士。このような人物を予備役に編入してしまう海軍人事。負けて当然。2022/04/22
-
- 和書
- 詩薮 中国古典新書