内容説明
本書では、まず同指針の運用についての留意事項を第1章で概説し、次に比較的簡便に荷重・耐力係数を設定する方法を第2章で解説している。また、単位系をSI単位に改めている。本書でとり挙げた設計例は、「4階建事務所」、「9階建事務所」、「体育館」の3例であり、それぞれ前半部分では、新しい指針の付1に例示された荷重・耐力係数群を用いて指針の運用例が示され、後半部分で目標信頼性の変更に伴う荷重・耐力係数の調整例が示されている。「4階建事務所」、「9階建事務所」では、特に地震荷重に対して、前半部分より高い信頼性を目標として荷重係数が調整され、設計結果が目標信頼性に応じてどのように変化するかが例示されている。一般に全ての荷重組み合わせに対して目標信頼性を満足するように設計すると、ある特定の荷重組み合わせに対しては目標信頼性よりかなり高い信頼性が確保されることになる。「体育館」の設計例では、前半部分で設計された結果に対して、実現された信頼性を再評価した例が示されている。
目次
1章 鋼構造限界状態設計指針の運用についての留意事項(適用範囲;荷重の基本値ならびに荷重係数・耐力係数;構造解析法と構造区分)
2章 荷重・耐力係数設定の考え方(荷重・耐力係数の設定方針;荷重・耐力係数の設定方法:目標信頼性指標を変えた時の荷重・耐力係数試算結果 ほか)
3章 設計例(4階建事務所建築;9階建事務所建築;体育館)