内容説明
いつ、いかにして労務管理は誕生したか。その生成・定着条件、産業の社会的・歴史的現象を比較・解明し、労働の請負化や在宅化・企業外化等の現状と新たな展開を再検討する。
目次
序章 労務管理の生成とはいかなるできごとであったか
第1章 日本労務管理史研究の射程
第2章 フランス金属工業における熟練資格と労働者管理―熟練工システムの動揺と再編成
第3章 管理問題発見の主体と主観―20世紀初頭ヴィッカーズ社バロウ造船所組織調査に即して
第4章 工場徒弟制から「人事管理」へ―生成期ゼネラル・エレクトリック社の組織・管理問題と人材育成を中心に
第5章 フランスにおける「カードル(cadre)」層の形成過程
第6章 日本製糸業における労務管理の生成とジェンダー
第7章 会社徒弟制のトランスナショナル・ヒストリー―ゼネラル・エレクトリック社リン事業所からトヨタ自動車へ:1903~70年
第8章 戦前期日本電機企業の技術形成と人事労務管理
第9章 日本の労働者にとっての会社―「身分」と「保障」を中心に
終章 「職業の世界」の変容と労務管理の終焉
著者等紹介
榎一江[エノキカズエ]
1973年生まれ。2003年九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程単位取得退学、博士(比較社会文化)。現在、法政大学大原社会問題研究所准教授
小野塚知二[オノズカトモジ]
1957年生まれ。1987年東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得退学、博士(経済学)。現在、東京大学大学院経済学研究科教授。主要業積『クラフト的規制の起源―19世紀イギリス機械産業』(有斐閣、2001年、社会政策学会奨励賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。