内容説明
統合ヨーロッパが危機に直面するたびに登場する悲観論には根拠のないことを示し、通貨統合の本質は歴史のなかで培われたヨーロッパの政治にあることを論証する。
目次
ローマ条約と一九六〇年代における欧州通貨統合問題
第1部 ブレトンウッズ体制の危機とスネイクの誕生(国際通貨危機と欧州通貨統合問題;経済通貨同盟の創設構想;スネイクの誕生(一九七〇~七三年))
第2部 資本主義世界の大転換と欧州通貨統合問題(一九七四~七八年)―ユーロ・ペシミズムの光と影(スミソニアン体制崩壊後のスネイクとフランスの国際通貨戦略(一九七三~七六年)
ケインズ主義から新自由主義へ―一九七四~七五年の経済危機とフランスの転進
ユーロ・ペシミズム下の仏独連携(一九七四~七八年))
第3部 未完に終わった単一通貨への道(欧州通貨協力制度「EMS」の成立(一九七八年)―政治と経済のはざまで
EMSの第二段階と欧州通貨基金(一九七九~八一年)―未完に終わった単一通貨への道
EMSの発足と共通ドル政策(一九七九~八一年)―変動相場制下の大国と小国、それぞれの利害と論理)
著者等紹介
権上康男[ゴンジョウヤスオ]
1941年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、横浜商科大学商学部客員教授、横浜国立大学名誉教授、経済学博士(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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