内容説明
本書は、イタリアの非営利・協同組織(とりわけ「社会的協同組合」(Cooperativa Sociale))について、筆者のフィールドワークに基づく実態把握と、理論的な考察の前提となる問題意識の整理を主たる課題としている。その意味で、本書は、「協同組合論」の一端に位置づくものだが、同時に、現代社会の中で「生きにくさ」(disagio)に喘ぐ人々が、協同と連帯を媒介に、「豊かな生」を模索する、その現場になるべく近いところから、議論を組み立てていくことを心がけた。
目次
第1部 イタリアの非営利・協同とは何か―視点と問題提起(「生活の論理」と「市場の社会的構築」を支える土壌;暮らし・文化とものづくり―ヴィチェンツァの工房から;イタリアにおける「社会的経済」とは何か;フィールドワークの視点と方法)
第2部 社会的協同組合を担う人びと―事例研究(社会的協同組合の源基、アソチアティオニズモをたどる;「共に生きる」場の創造―「プロジェットH」;事業体としての高度化の考え方―「カレイドスコーピオ」;社会的協同組合におけるボランティア―「ラ・レーテ」;地域社会に存立する意味―「ステラ・モンティス」;社会的協同組合と行政とのパートナーシップ;労働市場の社会的構築―障害者就労支援を例として)
著者等紹介
田中夏子[タナカナツコ]
都留文科大学教員。1960年東京生まれ。慶応義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。労働者協同組合全国連合会、イタリア貿易振興会、長野大学産業社会学部教員を経て現職。専攻は労働社会学、地域社会学
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