出版社内容情報
『氷点』『塩狩峠』『銃口』など、三浦綾子の著作から366の珠玉のことばを厳選して収録。愛蔵書・プレゼントに最適な1冊。今なお多くの人々を魅了し続けている三浦綾子作品。三浦文学研究の第一人者である森下辰衛監修のもと、1年を通してそのことばに触れられるよう、三浦綾子の著作から366の珠玉のことばを厳選して収録。美しい草花のイラストも随所にちりばめられており、愛蔵書・プレゼントに最適な1冊。
きっと、大丈夫―あとがきにかえて(監修者・森下辰衛)
本物の言葉はいつも、いのちの事件として人の心に入ってくるものです。爽やかな風のように、あるいは温かな塊として、しかし時には鋭い痛みを与え、あるいは胸にざらつくものとして。そして人を養い、時に変貌させ、実を実らせます。
小説家は小説を通して語るのが仕事です。でも読んでしばらくすると物語は忘れられます。それで綾子さんは思いました。一つの言葉だけでも心に残ってくれて読者を慰め励まし支えてくれたら……、と。そんな思いもあって、彼女は真理を示す短い言葉(名言)を作中にたくさん入れる作家でした。
言葉を発するとき、綾子さんは心の中でまず点検したそうです。その言葉は真実であるか? 本当に必要なものか? そしてその人への愛から出ているものか?
これらの条件を課したのは、言葉は人を生かすものでなければならないとの思いからでした。そうやってひとつひとつ生まれたのがこの本の言葉です。
あなたは、どんな時にこの本を開くでしょうか? 夜、ひとりになった時間、それとも朝目覚めた時、昼休みや通勤時、あるいは自分にがっかりし、落ち込んだ時でしょうか。でもきっと大丈夫、綾子さんの言葉はあなたを生かすための言葉です。
この本を読んで心に触れる言葉に出会った方は、ぜひその言葉がとられている作品を読んでみてください。あなたをもっと豊かに生かしてくれる道が、そこで見つかることでしょう。
三浦綾子[ミウラアヤコ]
森下辰衛[モリシタタツエ]
1962年岡山県生まれ。1992年から14年間福岡女学院大学で日本近代文学などを講義。2006年旭川市に移住し三浦綾子記念文学館特別研究員となる。2011年より三浦綾子読書会代表。三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。編著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『水野源三精選詩集』(日本キリスト教団出版局)がある。
松下光雄[マツシタテルオ]
1951年東京都生まれ。金融機関に勤務し1998年旭川に転勤。妻が三浦綾子記念文学館ボランティアとなり、三浦文学に近づく。旭川滞在中にホームページ「三浦綾子と旭川」を開設し、全国の綾子ファンと交流を深めてきた。現在三浦綾子読書会の運営委員としても活動中。