内容説明
AI、IoTの普及に伴い、セーフティとセキュリティが確保されたシステムの構築が急務となっている。セーフティとは「偶発的なミス、故障などの悪意のない危険に対する安全」のことである。一方、「悪意をもって行われる脅威に対しての安全」を確保することをさすセキュリティには「安心」という意味もある。セーフティとセキュリティが確保されて初めて安全安心なデジタル社会を構築できるのである。本書では「システム思考」と「レジリエンス・エンジニアリング」を駆使し、セーフティ技術とセキュリティ技術を統合的に組み合わせて、安全安心なシステムを構築する方法やその考え方を紹介している。STAMP(System Theoretic Accident Model and Processes)、FRAM(Functional Resonance Analysis Method)、GSN(Goal Structuring Notation)などのセーフティ技術、コモンクライテリアなどのセキュリティ標準、セーフティ・セキュリティの統合手法STAMP S&S、セーフティ・セキュリティの開発方法論CC‐Caseについても解説。本書は、事例を交えて「AI、IoT時代のシステム安全」を解き明かす「セーフティ&セキュリティ」の入門書である。
目次
第1章 セーフティ&セキュリティ概説
第2章 システム理論とSTAMP
第3章 レジリエンス・エンジニアリングとFRAM
第4章 セキュリティ・バイ・デザイン
第5章 ITセキュリティ標準コモンクライテリアとCC‐Case
第6章 アシュアランスケースとIoTのセーフティとセキュリティ
第7章 機械学習システムのセーフティとセキュリティ
著者等紹介
金子朋子[カネコトモコ]
博士(情報学)。国立情報学研究所特任准教授。(株)NTTデータエグゼクティブR&Dスペシャリスト。公認情報セキュリティ監査人。日本科学技術連盟SQiP研究会セーフティ&セキュリティ分科会主査。電子情報通信学会知能ソフトウェア工学研究会専門委員。日本セキュリティマネジメント学会IoTリスク研究会幹事。日本ソフトウェア科学会機械学習工学研究会機械学習システムセーフティ・セキュリティWG幹事。経歴:(株)NTTデータに1期生として入社し、システム開発や品質保証業務を長年実施。2008年より社会人大学院で学び、2014年セキュリティ要求と保証の研究で学位を取得。2016年‐2019年(独)情報処理推進機構(IPA)に在籍出向し、システム理論(STAMP)やレジリエンスエンジニアリング(FRAM)等の安全分析技術の普及展開に従事。2019年‐現在、国立情報学研究所に在籍出向し、「AIシステムの安全性」を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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