内容説明
知力の戦いは、戦いの構造を知ることから始まります。そして、戦略・戦術の採用にあたっては、戦いについての知識を総動員しなければなりません。本書は、戦いをゲームとして捉えています。そうすることで、実社会の戦いに直面したときにも冷静さを保ち、的確な判断を下せるという大きな効果があります。元航空幕僚長の著者が、戦いに勝つための戦略・戦術を語ります。
目次
1 1対1の戦い―勝率と資金力と破産問題
2 戦いの秘策―必勝法をめぐって
3 集団どうしの戦い―ランチェスターの法則
4 ミニマックスの戦略―純粋戦略を使って
5 ゼロサムの戦い―混合戦略を使って
6 ノン・ゼロサムの戦い―ジレンマに満ちた戦略
7 情報の戦い―ゲームにおける情報の価値
8 社会のゲーム―意思決定をめぐって
著者等紹介
大村平[オオムラヒトシ]
工学博士。1930年秋田県に生まれる。1953年東京工業大学機械工学科卒業。防衛庁空幕技術部長、航空実験団司令、西部航空方面隊司令官、航空幕僚長を歴任。1987年退官。その後、防衛庁技術研究本部技術顧問、お茶の水女子大学非常勤講師、日本電気株式会社顧問、(社)日本航空宇宙工業会顧問などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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paluko
2
COVID-19への対応も、ゲーム戦略で何とかなるのではないかという下心で読了。強引にこじつければ、138頁「自然とのゲーム」の項目で、「この相手(ここでは日本経済)は私に対して好意も悪意も持たず,利害関係もまったく無視できる程度です.つまり私と競合関係にはありません」というような場合が参考になるかなあ。228頁の「数量では表しにくいものや,異質のものが混在するにもかかわらず総合的な価値判断を下さなければならないときに役立ちそうな手法」というのも興味深い。どう転んでも不利になるゲームなら降りるのも重要?2020/07/29