内容説明
昨今注目されているEMS(Electronics Manufacturing Services:電子機器受託製造サービス)を製造戦略としてのみの視点からではなく、企業再編やガバナンスの革新を可能にする企業戦略という視点から捉える。EMSを、単にエレクトロニクス業界のみではなく、他の業界にも波及し広く利用されるビジネスモデルのひとつとして捉え、その本質と優位性を論じる。いま最もホットな企業として注目されているソレクトロンやソニーをはじめとする内外の先進事例企業の戦略を紹介し、各企業のEMSの競争優位性を探る。また、町工場など中小企業集積としてのEMS化への取組みとその可能性を論じる。さらに、EMSの特徴であり成功の条件といわれるM&Aや品質管理問題を考察する。とくに、M&Aはもろ刃の剣であり、EMS化には我が国特有の困難を克服する必要があることを指摘する。
目次
EMS革命の衝撃的登場
第1部 EMSのもつ意義と本質―どんな視点が大切か?(経営革命としてのEMS;ビジネスモデルとしてのEMS)
第2部 EMS企業の成功例―先進企業はどうしているのか?(海外のEMS企業;国内のEMS企業;中小企業のEMS戦略)
第3部 EMS企業のコアコンピタンス―どこに優位性を見出せるのか?(EMS企業のM&A戦略;EMS企業の品質管理戦略)
著者等紹介
原田保[ハラダタモツ]
1947年神奈川県に生まれる。1971年早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社西武百貨店入社。1980年米国シアーズローバック社研修出向。1990年株式会社西武百貨店取締役。企画室長、情報システム部長、商品管理部長、関東地区担当、国際業務担当、業革推進担当などを歴任。現在、香川大学経済学部および大学院経済学研究科教授。岡山商科大学および大学院商学研究科客員教授。Ph.D.(Business Administration)
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