図解雑学 現代思想

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  • サイズ B6判/ページ数 279p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784816336829
  • NDC分類 133
  • Cコード C0010

内容説明

本書では、現代思想を個々バラバラなものとしてではなく、現代思想の出発点であるニーチェからの流れから歴史的にとらえるという視点と、現代思想がどういう問題意識を共有しているかという二つの視点から、大胆に整理し、難解とされる現代思想を、図版を駆使し、わかりやすく解説している。

目次

序章 古典的な哲学と現代思想の違い
第1章 ニーチェ―現代思想のはじまり
第2章 精神分析学と言語学の革命
第3章 実存の哲学と現象学
第4章 ウィトゲンシュタインと分析哲学
第5章 フランスの戦後思想とフランクフルト学派
第6章 構造主義の登場
第7章 ポストモダン思想の展開
第8章 フーコー
第9章 その他の重要な思想家たち
終章 現代思想の全体像

著者等紹介

小阪修平[コサカシュウヘイ]
1947年岡山県生まれ。だいたい九州で育つ。1970年東京大学教養学部中退。著述業・予備校講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェルナーの日記

111
現代思想の始まりにニーチェを配したことが興趣。近代哲学の完成をヘーゲルとし、さらに発展させたのがサルトル。彼を批判したストロースが構造主義で、この思想には、心理学のフロイト等や言語学のフーコ等に論理学のウィトゲンシュタイン等、さらにハイデガーを加えた彼らが中心である、そして構造主義を批判したものがポスト・モダンだが、デリタの登場で、凡ての思想が脱構築され、実質状、解体された。その後に残ったものが、ニーチェのニヒリズムで全体観のない個人を中心とした思想だった。よって現代は思想なき思想の時代といえるのだろう。2015/05/01

かっぱ

8
レヴィ=ストロースが近親相姦の禁忌について女性を交換していくための規則であると主張していたという部分にうなずいた。つまり子は無意識的に親の資産として扱われ、牛や豚と交換して経済を保っていくために親が手をつけるわけにはいかないということだろう。種イモを食べてしまってはいけないのだ。2014/07/26

ぽんくまそ

7
期待したものは得られなかった。権力や暴力やいじめや格差拡大をどう解釈しどう対するかという差し迫った課題にほとんど役にも立たない。ヘーゲルからニーチェ、ハイデガーへの流れに相当する思考の逆転など、東洋では朱子から王陽明への流れで、とっくの昔にやっているではないか。昨年亡くなった九州王朝説の古田武彦氏が、原発がある現代では過去の哲学・宗教はご破算になったと書いていたが、その通りだ。2016/08/21

袖崎いたる

7
リオタールの同一性批判のくだりを読んで思ったことがある。それはぼくがリオタールに興味がないからといってそのくだりを読まなかったら、それは近代的な同一性への固執であり、彼の思想に対する、ある種の迫害になるのかもしれないということだ。興味とは同一性への強化だ。そう考えると、興味という選択基準は「興味ないから」という他者排斥(ジェノサイド)の上に立つ自己愛着のようだ。なにも全てを興味の範疇にしなければと思ったわけではない。ただ、「際会を歓待する」という構えは大切にしましょうくらいには受け取るべきかなとは思った。2015/08/23

Taka

6
ニーチェを始まりとする現代思想の変遷をわかりやすく解説した本。興味深い内容だったが、個人的には、第一次〜第二次大戦期ドイツ、合理的な精神を追求したフッサールと、生きている意味や根拠を追求した非合理的な側面を持つハイデガーの対比が面白かった。しかしハイデガーの考えは民族の団結を促しナチスの台頭を手助けしてしまった。哲学はともすれば誤った政治思想を生み出す。終戦70年経った現在でも原爆の正否や安保など議論が分かれているが、生き方だけでなく政治的な側面でも、正しい哲学を追求することは重要であると感じた。2015/08/15

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