出版社内容情報
フランクからフランスへ、西洋国家の淵源をたどる――。紀元千年に現れた王国は、強大なライヴァルとの対決を経て、いかにその領域と体制を形作ったのか。グローバルな視座で政治・社会・経済を一望する本格的通史。本巻では、弱小な王権が西欧最強の君主へと飛躍する過程を、都市・領邦からスラヴ・地中海・中東まで広がるネットワークの中で描く(全2巻)。
【目次】
カペー朝系図
はじめに
第1章 10世紀の変動
1 領邦君主の簇生
2 統治機構の解体と変容
3 ユーグ・カペーと偶然の王位
4 ユーグの試練
第2章 新奇なる遊弋
1 ロベール2世の奏功と蹉跌
2 分裂する王家
3 疲れを知らぬ戦士アンリ1世
第3章 新王朝の曙光
1 復権の足音
2 貴族・農民・城
3 フィリップ1世治下での国王権威の再生
第4章 城塞領主たちとの戦い
-- イル・ド・フランス地方
1 騎士としての国王ルイ6世
2 宮廷高官門閥間の確執
3 「盗賊」領主とコミューン運動への対応
4 領邦国家およびアングロ?ノルマン王国と教皇庁
第5章 イル・ド・フランスの地平を越えて
1 ルイ7世の治世初期の行動
2 十字軍遠征からヘンリー2世との対決まで
3 ヘンリー2世プランタジネットとの戦い
4 王国の統治機構
第6章 大国への道のり
1 十字軍遠征までのフィリップ2世
2 十字軍遠征と帰還後の波乱
3 耀しき栄光の年月
4 王国行政の新たな展開
第7章 大西洋と地中海の眺望
1 永い待機
2 征服王ルイ8世
3 権力技術におけるルイ8世
第8章 聖王の時代
1 ルイ9世の年代的布置
2 王国統治の構造改革と王令
3 地中海政策の展開
4 王の聖性
第9章 不運な治世
1 フィリップ3世の国王即位まで
2 統治組織の発展
3 国王即位後のフィリップ
第10章 挫折した世俗国家「革命」
1 王子フィリップ4世の軌跡
2 レジストの「支配」とフランドル問題
3 司法・行政の精緻化と財政の悪化
4 教皇ボニファティウス8世との対決とタンプル事件
5 末期の苦境
第11章 兄から弟へ
-- 最後のカペー王たち
1 父の庇蔭のもとで
2 ルイ10世による19ヶ月の治世
3 フィリップ5世の光芒
4 カペー朝最後の王シャルル4世
おわりに
あとがき
索引
図表一覧
引用文献
註
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- 和書
- 希望を失わず