出版社内容情報
AI・ロボット技術が日々進化する中で、生成AIや自動運転車、自律型兵器などが引き起こしうる倫理的問題を通し、人間の道徳を考える、知的興奮に満ちた入門書。「本書には、ロボットやAIという新しい隣人たちとつきあう上で参考となる倫理学の知恵がつまっている」――伊勢田哲治。
【目次】
はじめに
Ⅰ AI・ロボットから倫理を考える
第1章 機械の中の道徳
-- 道徳的であるとはそもそもどういうことかを考える
1-1 アシモフのロボット工学三原則
1-2 倫理はプログラム可能か?
1-3 道徳と感情
1-4 大規模言語モデルによる道徳へのアプローチ
1-5 機械化された道徳は道徳なのか?
1-6 おわりに
第2章 葛藤するロボット
-- 倫理学の主要な立場について考える
2-1 まず倫理に含めないものを除外しよう
2-2 倫理学を3つに分ける
2-3 規範倫理学の主要な2つの立場:帰結主義(功利主義)と義務論
2-4 功利主義
2-5 義務論
2-6 第三の立場:徳倫理学
2-7 おわりに
第3章 私のせいではない、ロボットのせいだ
-- 道徳的行為者性と責任について考える
3-1 「ロボットに責任を帰属する」とは?
3-2 ロボットも責任主体になれるかも?:両立論の考え
3-3 人は自己形成をコントロールできない:非両立論の考え
3-4 ロボットへの帰責は可能か?
3-5 おわりに
第4章 この映画の撮影で虐待されたロボットはいません
-- 道徳的被行為者性について考える
4-1 道徳的被行為者とは
4-2 道徳的被行為者としての人間
4-3 道徳的被行為者の範囲は?
4-4 ロボットを道徳的被行為者とみなす必要性はあるか?
4-5 おわりに
第5章 AI のくせに生意気だ
-- 差別について考える
5-1 AI と差別
5-2 よい差別の理論とはどのようなものか?
5-3 差別の諸理論
5-4 AI・ロボットにまつわる将来の差別を考える
5-5 おわりに
Ⅱ AI・ロボットの倫理を考える
第6章 このロボットを作ったのは誰だ!?
-- 製造物責任と技術者倫理について考える
6-1 近未来に出現するロボット製品とは
6-2 ロボット製品がもたらす新しい問題
6-3 専門職としての技術者の倫理
6-4 安全性をさらに高める製造物責任法
6-6 ロボット倫理憲章をつくる
6-7 AI の倫理憲章
6-8 おわりに
第7章 AI と誠
-- ソーシャル・ロボットについて考える
7-1 ソーシャル・ロボットの普及
7-2 まやかしの関係?
7-3 ソーシャル・ロボットはユーザーを欺いていると言えるのか?
目次
1 AI・ロボットから倫理を考える(機械の中の道徳―道徳的であるとはそもそもどういうことかを考える;葛藤するロボット―倫理学の主要な立場について考える;私のせいではない、ロボットのせいだ―道徳的行為者性と責任について考える;この映画の撮影で虐待されたロボットはいません―道徳的被行為者性について考える;AIのくせに生意気だ―差別について考える)
2 AI・ロボットの倫理を考える(このロボットを作ったのは誰だ!?―製造物責任と技術者倫理について考える;AIと誠―ソーシャル・ロボットについて考える;壁にマイクあり障子にカメラあり―AI・ロボット社会のプライバシー問題について考える;良いも悪いもリモコン次第?―兵器としてのロボットについて考える;はたらくロボット―近未来の労働のあり方について考える)
著者等紹介
久木田水生[クキタミナオ]
1973年生まれ。現在、名古屋大学大学院情報学研究科准教授、博士(文学)
神崎宣次[カンザキノブツグ]
1972年生まれ。現在、南山大学国際教養学部教授、博士(文学)
佐々木拓[ササキタク]
1976年生まれ。現在、金沢大学人間社会研究域人文学系教授、博士(文学)
本田康二郎[ホンダコウジロウ]
1972年生まれ。現在、金沢医科大学一般教育機構教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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