出版社内容情報
華やかな祝祭や忠勇の伝承、民衆の献身的な恤兵活動、国家・郷里による死者の追悼と遺族への支援──。これらが織りなす戦争協同体の総体と、新たに現れた倫理や歴史認識を、国外の動向も含めて包括的に検証し、帝国日本が抱き続けた愛国のメンタリティと軍国主義の起源をたどる、泰斗の労作。
内容説明
華やかな祝祭や忠勇の伝承、民衆の献身的な恤兵活動、国家・郷里による死者の追悼と遺族への支援―。これらが織りなす戦争協同体の総体と、新たに現れた倫理や歴史認識を、国外の動向も含めて包括的に検証し、帝国日本が抱き続けた愛国のメンタリティと軍国主義の起源をたどる、泰斗の労作。
目次
第3部 戦勝祝祭の空間(日清戦争と戦勝祭典;戦勝のシンボル;鎮魂の音―岐阜市権現山の戦勝記念鐘について)
第4部 戦争記念碑論(軍・師団の戦争記念碑の建立;軍都の戦争記念碑―豊橋第十八連隊と神武天皇銅像記念碑について;戦争記念碑の裾野―郡町村の記念碑;軍夫とその招魂記念碑;戦争記念碑の系譜;中国における日清戦争の墓碑・記念碑―旅順口・金州・錦州)
第5部 軍国のメディアと社会の倫理(従軍記者と戦争報道;宣伝される忠勇者たち;兵卒・遺族と地域社会;「義」の民族協同体;未来の兵士たち)
「軍国主義」の起源をめぐって
著者等紹介
羽賀祥二[ハガショウジ]
1953年岐阜県に生まれる。現在、名古屋大学名誉教授、博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
15
日清戦争を契機に、日本国内で軍事的価値が称揚され、戦争を遂行するために地域社会や国民を動員する「軍国」社会が形成されるプロセスを詳細に描く。名古屋に司令部を置いた第三師団を中心に地域社会との関係に焦点を当てている。愛国心を発揚する仕組みを幅広い分野で示しており、特に戦勝祭典や戦勝記念碑・戦死者記念碑に関する部分は内容が充実している。西南戦争記念碑からの流れも興味深い。ただ、細かい文字でびっしりと埋め尽くされた巻末の註に都度、目を通すのもだんだん辛くなってきた(笑)。2024/11/14
takao
1
ふむ2024/09/17
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