出版社内容情報
非効率なはずの企業群はなぜ存続し、成長できたのか。グローバル企業ランキングを席捲し、存在感を示し続ける国有企業が、市場経済への適応と共産党支配を両立すべく実施した改革の成果を、腐敗などの副作用も含め解明、「普通の」資本主義体制に抗いながら発展する中国経済の実像に迫る。
内容説明
「非効率」とされながら存続・成長し、グローバル企業ランキングを席捲して存在感を示し続ける国有企業。市場経済への適応と共産党支配を両立すべく実施した改革の成果を、腐敗などの副作用もふくめ解明、中国経済のゆくえを左右する決定的役割を浮かび上がらせた意欲作。
目次
序章 中国の経済発展と新型国有企業
第1章 国有企業の影響力
第2章 体制移行論の諸問題
第3章 国有企業の株式会社化と資本結合
第4章 国有企業の払下げと「瞰制高地」支配
第5章 国有企業の「国家資本」化改造
第6章 党と「国家資本」
終章 「党国家資本」の矛盾と旋回
著者等紹介
中屋信彦[ナカヤノブヒコ]
1969年生。現在、名古屋大学大学院経済学研究科附属国際経済政策研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
16
中国国有企業の変遷を解明することで、中国の社会主義市場経済体制の特徴を示している。資本主義世界の通念では、国有企業は経営が非効率であり、民間の経営手法を導入して再建を図るが、中国では赤字国有企業の経営再建として株式会社化をするのではなく、黒字の国有企業や有力な国有企業の黒字資産が株式会社化の対象となる。株式会社化後も政府が支配株主として君臨する「国家資本」化によって、一定の市場適応能力と収益性を確保し、重要産業や業界大手などで強い影響力を維持し続ける。他方で株主総会の形骸化も顕著に。TBC2023/10/25
-
- 和書
- 日本復興計画