内容説明
強勢外交と権威主義政治は切り離せない。グローバル大国化した中国の内政と外交を同時にとらえ、国家資本主義から「周縁」問題まで、両者のネクサスに照準を合わせつつ、革命後の70年をふまえて現在の姿を浮き彫りにした、第一人者によるエッセンシャルな一冊。
目次
序章 日本における当代中国研究―これまでとこれから
第1章 現代中国政治の三位一体体制
第2章 政策決定―基本パターンと天安門事件
第3章 肥大化する国家―国家資本主義の実相
第4章 中国外交の固有性
第5章 グローバル大国化と「強勢外交」
第6章 中国を悩ます「国家性」問題
終章 ポスト権威主義―レジーム変容はあるか
著者等紹介
毛里和子[モウリカズコ]
早稲田大学栄誉フェロー・名誉教授(政治学博士)。2010年、福岡アジア文化賞、国際中国学研究賞、2011年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papahaba
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中国の内政、外交政策の構造的分析。政策決定過程の分析、チベット・モンゴル・台湾・香港への統治分析等 学びが多かった良書。2023/06/06
Tatsuhiko
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現代中国の内政と外交を既存の研究成果に基づいて主に制度面からレビューしている。わずか200ページにギュッと情報が詰め込まれているが、そのために文章は無味乾燥で、ある程度知識や関心のある人でなければ読み通せないと思う。気になったのは参考文献として百度百科が何度か使われていることで、これは中国界隈では許容されているのだろうか?もちろん当局の意に沿わない投稿は検閲されているだろうが、それでもフリー百科事典を文献に使うというのは英語の学術論文ではちょっと考えられない。2022/02/20