内容説明
多文化社会から宗教、AIまで「哲学的人間学」の全景。多様性と統合への渇望とのあいだで思考し、「承認の政治」やコミュニタリアニズムなど現代の思想を牽引してきた哲学者テイラー。自己論や道徳論から、言語論、認識論、政治哲学、宗教論まで、その巨大な思想の全体を体系的に理解するために最善の入門書。
目次
序章
第1章 道徳を説明する(道徳の領域;多元主義 ほか)
第2章 自己を解釈する(自己の存在論的な面;自己の歴史主義的な面)
第3章 政治を理論化する(テイラーとコミュニタリアンの伝統;限定的コミュニタリアニズム ほか)
第4章 知識を理解する(自然科学対人文科学;実践理性 ほか)
第5章 結び―世俗性の源泉
著者等紹介
アビィ,ルース[アビィ,ルース] [Abbey,Ruth]
カナダのマギル大学にてチャールズ・テイラーのもとで博士号(政治学)を取得。アメリカ合衆国のノートルダム大学で政治学の教鞭をとる。2019年よりオーストラリアのスウィンバーン大学社会科学部長
梅川佳子[ウメカワヨシコ]
名古屋大学大学院法学研究科博士課程(前期・後期課程)修了。名古屋大学高等研究院特任助教および英国ウォリック大学法学部客員研究員を経て、現在、中部大学人文学部講師、博士(法学)。日本カナダ学会研究奨励賞受賞(2016年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bevel
3
テイラーの思想の幅広さと体系性をうまく捉えててよかった。フランクファートの「二次的欲望」を踏まえての「強評価」、「強評価」の源泉としての「構成善」による道徳的実在論、そして言語と相関する自我の可変性、こういったものをコミュニタリアニズムという政治思想に繋げ、「消極的自由」、「権利」、「国家の中立性」を批判するところ、とてもとてもよい。結局「構成善」をスピリチュアリティに類比させ、コミュニティを文化的共同体に類比させ、科学と人文科学を分断させることで、すべてがぼんやりするけど、面白さの方が勝つ。よいなあ。2021/10/26
有智 麻耶
1
(再読してからふり返ってみると、)初読のときは、修士論文を仕上げることに精一杯で、じっくりと向き合わずに批判の対象として粗探しをしてしまっていたと反省した。入門書としての役割を充分に果たしている良書だと思う。2019/05/25
有智 麻耶
1
7年ぶりに再読したら、とてもよい本だと感じた。幅広い主題を取り扱うテイラーの思想を整理して入門書に仕立てるのは、かなりの手腕だろう(日本で本書に類するのは、いまのところ中野剛充『テイラーのコミュニタリアニズム』だけである)。『〈ほんもの〉という倫理』や論文「承認をめぐる政治」あたりを読んだあとに、さらに理解を深めつつ視野をひろげていくために読むのがよい。なお、英語版では第二版が刊行されており、構成がおおきく異なるため、そちらをはやく読みたい。2026/01/11




