内容説明
満州経営の全方位的担い手とみなされた巨大植民地企業が、国策会社化の挫折と満州国成立後の解体的再編をへて、鉄道中心の営利企業として覚醒する姿を、株式市場への対応からとらえ、終戦まで異例の高収益企業であり続けたメカニズムを解明、日本帝国主義の先兵とされた満鉄像を一新する。
目次
満鉄の歴史的位置づけを問いなおす
第1部 「国策会社」としての挫折(満鉄経営を担った人々―課長級以上社員の分析;社員の経営参画―課長級以上の人事異動と社員会の活動;「国策会社」の統計調査―慣習的方法による達成と限界)
第2部 株式市場の中の満鉄(満鉄の資金調達と民間株主―1933年増資とその制度的前提;満鉄改組と株式市場―変動する民間株主と満鉄の対応;株式市場の拡大と零細株主の参入―満鉄株をめぐる訴訟の分析;経済統制下の満鉄経営―1940年増資と株式市場からの反応)
「調査部史観」を超えて
著者等紹介
平山勉[ヒラヤマツトム]
1971年生まれ。2003年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。映画専門大学院大学映画プロデュース研究科准教授、慶應義塾大学経済学部研究助手などを経て、湘南工科大学工学部総合文化教育センター教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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