出版社内容情報
老いの途上で、親の死は必ず訪れる。介護や看取りの日々を経て、カラダとココロの構えや交友や旅、食事に対する趣も変わる。また、どう見送っても、自分を責める気持ちや後悔を抱えていくのではあるが、親亡き後は、その先の人生に重みと安定を与えるはず。両親を見送った人気エッセイストが、生と死や人と自然のつながりを優しくみつめ直す感動のエッセイ
内容説明
老いの途上で、親の死は必ず訪れる。介護や看取りの日々を経て、カラダとココロの構えや交友や旅、食事に対する趣も変わる。また、どう見送っても、自分を責める気持ちや後悔を抱えていくのではあるが、親亡き後は、その先の人生に重みと安定を与えるはず。両親を見送った人気エッセイストが、生と死や人と自然のつながりを優しくみつめ直す感動のエッセイ。
目次
母の最後の五目ずし
乾物のおかず
隅っこの春
桜は本当に美しいのか
御船山楽園にて
後ろ姿で伝えること
落花の頃に
セミの脱け殻
お盆の寺で
秋の夜長に〔ほか〕
著者等紹介
岸本葉子[キシモトヨウコ]
1961年鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。会社勤務を経て、中国北京に留学。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書素人本棚
感想・レビュー
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rico
55
まず父を、時間をおいて母を送った。二人とも平均寿命を超え、そこそこ長生きだった。だからだろうか、「哀しみの奔流」に飲み込まれることはなかった。淋しさ、何とか送ったという安堵、前を歩いている人が誰もいなくなったいう心細さ。この感覚は岸本さんの言う「よるべなさとある種の解放感」に近いのかもしれない。自ら病を抱えつつの介護はどれほど大変だったか。苦労話はほとんど語られない。実用的な知識、介護者の在り様、生とその先の死への想い。1つ1つの文章は短い。だけど日々はそうやってうつろうもの。「最後の対話」は泣けた。2019/09/03
katoyann
25
90歳を超えた父の介護と看取りに関するエッセイ。私も親を亡くしているので、その時の気持ちは少しだけわかる。ただ、筆者のように家事や介護をまめにやっていたわけではない。筆者は、親をなくすと誰にでもそういう心残りがあるという。 構成としては書評が結構混じっているので、その点はやや読みにくい。ただ、不思議と胸を打たれる。介護者である筆者は年老いた父の死期を悟るが、父の方はそのことをどのように認識しているか定かではない。その言葉のやり取りの描き方が絶妙だ。2022/12/26
退院した雨巫女。
14
《私-図書館》両親が、亡くなるなんて、想像したくもない。最近、職場の同僚のお母さん亡くなったが、この時期だから、通夜、葬儀にもいけなかった。気丈な母も祖母が、亡くなった時は、ボロボロだった。2020/04/06
まるちゃん
6
岸本さんの優しさを感じた。読み終わってしずかな感動があった。2024/12/22
なお太郎
4
再読。岸本先生のお茶目な部分は封印され、タイトルにふさわしく落ち着いた文章。岸本先生の真面目さが際立つと言っても良い。お父様の介護をご兄弟・親戚で行っていた全てに感心し、愛情を感じ、尊敬した。お父様は幸せな方だと思う。震災直後の様子のエッセイも掲載されており、「命」とか「思いやり」とか、人との関係性などにも思いを寄せる事ができた。2020/08/12
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- 和書
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