内容説明
政治の知とは何か。哲学と弁論を武器に戦った政治家キケロ。共和主義の原点とも目されるその思想は、いかなる政治を目指し、なぜ敗北したのか―。『カエサル』『ポンペイウス』に続くシリーズ最終巻、本邦初訳。
目次
修業時代
公的活動のはじまり
財務官職―元老院議員としての第一歩
ウェッレス弾劾
按察官職から法務官職に
執政官職を目指しての戦い
執政官職
執政官在任中の政策を護って
亡命と帰還
「このような政治状態には喜ばしいことはひとかけらもない」
執政官代理職
内乱
カエサルの独裁官職のもとで
四四年三月一五日以降
レス・プブリカのための最後の戦い
著者等紹介
長谷川博隆[ハセガワヒロタカ]
1927年東京都に生まれる。1953年東京大学文学部西洋史学科卒業。名古屋大学文学部教授などを経て、名古屋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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竹香庵
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実際は半分読了。高い本だったが読みきれず。まさか紀元前の人がこうまで民事・刑事裁判に毎日終われて、あれこれ文章を練り只管裁判所通いをしていたとは。ものすごく意外。しかもそれが2200年後の今、相当な確証で判明していること自体も驚き。さらに弁護士と国会議員の両方を兼ねる職業観のようで、一つ一つの勝訴敗訴や、判例に基づく立法までもが次回の選挙に響くらしく、冒頭陳述・反対尋問などの一言一句も常に次の選挙を勘案しながらで大変そう。加えて政敵の追い落としや敗訴、将来の味方を勝訴など、周囲のことまで要検討。超人的。 2017/07/17