内容説明
大学と地域の関係はいかにあるべきか。初の公立大学である大阪医科大学の学長、佐多愛彦の大学論に着目し、公立大学理念の形成過程を解明。大学令の成立経緯を考察しつつ、各地での公立大学設立への動きを周到にたどり、近年急増した公立大学を根源から見つめ直す。
目次
第1編 “大学と地域”の思想(公立大学理念の形成)
第2編 大学令の成立(高等教育政策における方針転換;教育調査会における大学制度改革論議―大学の法制構造論と研究体制論の転換;臨時教育会議における研究体制論と公立大学規定;公立大学繰入金の制度的基盤―京都府立医科大学の事例を手がかりに)
第3編 昇格運動の展開(単科大学の制度化と「昇格」とのジレンマ―府立大阪医科大学への「昇格」運動;官立大学志向の構造―愛知医科大学への昇格運動;帝国大学との競合―京都府立医科大学への昇格運動;県立移管と大学昇格―熊本医科大学への昇格運動;公立大学理念の継承―大阪商科大学への昇格運動と関一の「市立大学論」)
著者等紹介
吉川卓治[ヨシカワタクジ]
1963年生。1990年名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程中退。名古屋大学史編集室専任室員(教育学部助手)、神戸商科大学講師・助教授を経て、名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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