内容説明
植民地美術とは何か。植民地的状況のダイナミズムに根ざした特異な美術のありようを、異なる文化の「混血・融合」という論理を超えて問い直す。現地調査に基づく新資料と多数の貴重な図版による、画期的な植民地美術論。
目次
第1章 植民地体制下の美術(南米植民地美術の成り立ち;先住民社会の再編成)
第2章 植民地的ヴィジョン―アンデス聖堂装飾の表象世界(先住民の町の聖堂と壁画装飾;転倒したエキゾティシズム;文化的他者の接触と交渉―カラブコの聖堂:一六六九~一七八一)
第3章 精神的征服と美術(ミッション美術の機能;イエズス会ミッションにおける美術制作;精神的征服の武器;物質と生命)