出版社内容情報
{TOKKATSU(特活)」「KOSEN(高専)」「Lesson Study(教員研修)」-いまASEANや中東諸国で、協調性や髙い基礎技術力を育むという関心から、日本の教育制度への関心が高まっている。それに応じて国内には「日本の教育」を海外に輸出しようとする官民挙げた動きが見られる。それは妥当なのか? 可能なのか? 教育文化の輸出の意味を歴史・心理・教育方法等、多角的に検討することで、「日本の教育」の特性と本質を明らかにする。
内容説明
「TOKKATSU(特活)」「KOSEN(高専)」「Lesson Study(教員研修)」―いまASEANや中東諸国で、協調性や高い基礎技術力を育むという関心から、日本の教育制度への関心が高まっている。それに応じて国内には「日本の教育」を海外に輸出しようとする官民挙げた動きが見られる。それは妥当なのか?可能なのか?教育文化の輸出の意味を歴史・心理・教育方法等、多角的に検討することで、「日本の教育」の特性と本質を明らかにする。
目次
第1部 前近代~近代初期からの視座(「日本型教育」の原風景を求めて―日本思想における「次世代を育てる」ことと「自己を磨く」こと;小利大損―「寺子屋」から考える「日本型教育文化」;日本の精神分析史に見る日本型教育―「とろかし」をめぐって)
第2部 「甘え」と自他/母子関係(母子関係における養育観の二タイプ―文化的、生物学的、心理学的視点から;日本の成人における母親への甘え―人生満足度と母親への感謝との関連;幼児期における「学びのリンクづけ」―実例と重要性および実践への示唆)
第3部 ジェンダーバイアスと家族(「親性」発達―現代日本の共同養育社会の実現に向けて;都市新中間層文化の生成と佐々木邦―「私民」の「市民」化の可能性)
第4部 「いただきます」と「無心/畏敬」(マシュマロテスト再考―関係性によって形成される集合的セルフコントロール;「無心」理論の構築)
第5部 「授業研究」という問い(日本の学校におけるカリキュラム改善―効果的な授業研究を実現するスクールリーダー;共同体としての「日本の学校」とそれを支えた教師像のゆくえ―「日本型教育」の構造の歴史と未来;授業研究(Lesson Study)をアメリカ、そして世界で成功させるには―(教員)教育の存在論的・文化的基盤に関する日本的視座)
著者等紹介
高山敬太[タカヤマケイタ]
南オーストラリア大学教育学部教授。2007年、ウイスコンシン大学マディソン校教育学研究科博士課程修了。ニューイングランド大学教育学部講師、上級講師、同准教授、京都大学大学院教育学研究科教授を経て、2023年より現職。博士(学術)。2011年、国際比較教育学会(CIES)よりGeorge Bereday Awardを受賞。2021年より、Asia Pacific Journal of Teacher EducationとDiscourse:Studies in the Culture Politics of Educationの編集者、NORRAG(在ジュネーブ)のシニアフェロー、ならびに、2023年よりUNESCO-Hamdan Prize for Teacher Developmentの審査委員を務める
南部広孝[ナンブヒロタカ]
京都大学大学院教育学研究科教授。1995年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程学修認定退学。広島大学大学教育研究センター(現高等教育研究開発センター)助手、長崎大学アドミッションセンター講師、助教授(准教授)、京都大学大学院教育学研究科准教授を経て、2017年より現職。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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