出版社内容情報
飛んでくるボールに合わせてバットを振る。「せーの」で机の端と端を持って運ぶ。近年飛躍的に解明が進んだタイミングの科学の最前線
内容説明
飛んでくるボールの球筋を予測し、それに合わせてバットを振る。「せーの」で机の端と端を持って運ぶ。私たちは日々の活動の中で無意識に身体運動のタイミングをコントロールしているが、これは知覚系と運動系にまたがる様々な中枢に関与し、動作を時間的に制御する高次な認知活動だ。「江夏の21球」やリオ五輪のリレー銀メダルをもたらしたタイミングの正体とは何か。脳イメージングの発達に伴い近年飛躍的に解明が進んだタイミングの科学の最前線を紹介する。
目次
第1章 練習の科学―スポーツにおける見越し反応(リレーのバトンパスは何を練習するのか?;スポーツは見越し反応が出るまで練習しなければならない ほか)
第2章 「からだで覚える」記憶の科学―運動プログラム概念50年の成果(運動プログラム概念の誕生;筆跡はどの身体部位で書いても似ている ほか)
第3章 敏捷の科学―反応時間を左右する要因(単純反応時間は〇・二秒;聴覚反応は視覚反応より速い ほか)
第4章 タイミングと力の科学―独立性と相互作用の狭間で(タイミングと力は異なる系で制御されているか―感覚刺激に対する動作の場合;タイミングと力はどちらが変動しやすいか―自己ペースの動作の場合 ほか)
第5章 チームプレーの科学―協働動作のタイミングと力の制御(チンパンジーはチームプレーで課題を達成できるのか?;社会脳仮説から協働動作課題を考案する ほか)
著者等紹介
乾信之[イヌイノブユキ]
鳴門教育大学名誉教授。Associate Editor of Perceptual and Motor Skills(SAGE Publishing,USA)。1953年徳島県鳴門市生まれ。横浜国立大学教育学部、広島大学教育学研究科(教育学修士)、岐阜大学医学研究科(医学博士)で学んだ後、岐阜大学助手、愛知県立大学助教授、鳴門教育大学教授、オーストラリア神経科学研究所客員シニア・フェローを経て現在に至る。専門:知覚‐運動制御論、教育神経科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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