出版社内容情報
流動する人・モノ・情報、闇市や徴兵忌避の寺院等、デルタ社会の生態歴史文化的特徴のなか国家が介入しにくい空間は如何に作られるか
内容説明
豊かな自然と世界有数の農業生産を誇り、大都市からも近く、いまはクルーズ観光が人気のメコンデルタ。しかしここは20世紀最大の動乱の舞台でもある。いくつもの国家が、統計・分類、文書化、マッピング、暴力を用いてこの地域の人々を捕捉しようとした。しかし、そうすればするほど動乱が拡大する。民族的混淆、流動する人・モノ・情報、闇市や徴兵忌避の寺院等々、デルタ社会の生態歴史文化的特徴のなか「国家の介入しにくい空間」が如何に作られるのか、そのメカニズムを詳細な民族誌で解き明かす。
目次
序論(国家の「余白」―メコンデルタ 生き残りの社会史;生き残り策から問い直す動乱;混淆的な他民族社会)
第1部 国家の周縁から「余白」へ(紛争と移動―多民族社会の生成;脱植民地化過程における言語・仏教・帰属)
第2部 戦時下での生き残り(戦時国家による地域社会の再編;二つの政治権力の狭間で;戦時下における不可侵の秩序空間)
第3部 社会主義改造下での生き残り(社会主義改造による地域社会の再編;社会主義改造下のローカルな秩序;生き残り策としての越境)
第4部 過去を踏まえて現在を生きる人々(二一世紀のクメール人越境者とベトナム国家;混淆的な多民族社会における差異の認識;秩序が紡ぎ出される場としての「余白」)
著者等紹介
下條尚志[シモジョウヒサシ]
1984年東京都生まれ。2007年慶應義塾大学経済学部卒。2015年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(地域研究)。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員(2015~2016年)、京都大学東南アジア地域研究研究所機関研究員(2016~2017年)を経て、2017年より静岡県立大学大学院国際関係学研究科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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