出版社内容情報
経済システムの崩壊とハイパーインフレを緊急に克服するという意味では,ネオリベラリズムは一部の地域,特に南米と東欧で一定の成功を示した。しかし,その重篤な副作用としての格差の拡大固定,民主主義の形骸化や人間的な社会関係の喪失は,強く批判されている。ネオリベラリズムとは世界史にとって何だったのか。現場から検証する。
はしがき
序章 「ネオリベラリズム」の後にくるもの[仙石 学]
? なぜいま再び「ネオリベラリズム」なのか ??経済の選択と政治の選択
? 新興民主主義諸国における「ネオリベラリズム」後の「ネオリベラリズム」?
? 本書の構成
第1章 「ポストネオリベラル」期の年金制度?
??東欧諸国における多柱型年金制度の再改革[仙石 学]
? 東欧諸国における年金制度の再改編 ??「ポスト」ネオリベラル型の年金制度?
? 第2次年金制度改編の背景と方向性
? 基金型年金制度とリベラル系政党の対応
? 「ポストネオリベラリズム期」における混迷?
第2章 危機意識に支えられるエストニアの「ネオリベラリズム」[小森宏美]
? 依然として「ネオリベラリズム」なのか?
? 改革党の躍進とその全盛期
? エストニア政治の不安的な側面
? 限られた選択肢の中での安定
第3章 ネオリベラリズムと社会的投資
??チェコ共和国における家族政策,教育政策改革への影響とその限界
[中田瑞穂]
? ネオリベラリズム,社会的投資戦略に基づく社会改革の試みと限界
? チェコの家族政策・教育政策
? EUのリスボン戦略とOECD
? EU加盟以降の改革の試みと政党間対立
? ハイブリッドレジームにおける歴史の呪縛
第4章 スペイン・ポルトガルにおける新自由主義の「奇妙な不死」
??民主化と欧州化の政策遺産とその変容[横田正顕]
? 新自由主義の強靭性
? 政党間競争のダイナミクス
? 新自由主義的欧州の中のスペイン・ポルトガル
? 危機の政治的帰結
? 新自由主義の「再埋め込み」?
第5章 ラテンアメリカ穏健左派支持における経済投票
??ウルグアイの拡大戦線の事例[出岡直也]
? 「ポストネオリベラル」期ラテンアメリカにおけるネオリベラル的政策の連続・逆転を決めるものとしての経済投票?
? ウルグアイの事例の意味
? ウルグアイにおける左派政権成立・維持の経緯,および,説明されるべき選挙結果
? 拡大戦線票に関連する先行研究からの考察
? 2001年と2008年のサーベイ・データによる拡大戦線票の分析
? 結論と含意
第6章 ポスト新自由主義期ラテンアメリカの「右旋回」
??ペルーとホンジュラスの事例から[村上勇介]
? ポスト新自由主義段階にあるラテンアメリカ
? ペルーの「急進左派」勢力の台頭と政権の軌跡
? 「右旋回」の構造的背景
? ホンジュラスの事例
? ポスト新自由主義期の「右旋回」の構造的な背景
索 引
仙石 学[センゴク マナブ]
1964年生 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授
比較政治学,中東欧比較政治経済専攻
最近の業績は「動揺するヨーロッパ ?中東欧諸国はどこに活路を求めるのか?」村上勇介・帯谷知可編『融解と再創造の世界秩序』(青弓社,2016年),『ネオリベラリズムの実践現場 ?中東欧・ロシアとラテンアメリカ』(村上勇介と共編)(京都大学学術出版会,2013年)他。
内容説明
経済システムの崩壊とハイパーインフレを緊急に克服するという意味では、ネオリベラリズムは一部の地域、特に南米と東欧で一定の成功を示した。しかし、その重篤な副作用としての格差の拡大固定、民主主義の形骸化や人間的な社会関係の喪失は、強く批判されている。ネオリベラリズムとは世界史にとって何だったのか。現場から検証する。
目次
序章 「ネオリベラリズム」の後にくるもの
第1章 「ポストネオリベラル」期の年金制度?―東欧諸国における多柱型年金制度の再改革
第2章 危機意識に支えられるエストニアの「ネオリベラリズム」
第3章 ネオリベラリズムと社会的投資―チェコ共和国における家族政策、教育政策改革への影響とその限界
第4章 スペイン・ポルトガルにおける新自由主義の「奇妙な不死」―民主化と欧州化の政策遺産とその変容
第5章 ラテンアメリカ穏健左派支持における経済投票―ウルグアイの拡大戦線の事例
第6章 ポスト新自由主義期ラテンアメリカの「右旋回」―ペルーとホンジュラスの事例から
著者等紹介
仙石学[センゴクマナブ]
1964年生。北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。比較政治学、中東欧比較政治経済専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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