学術選書<br> 埋もれた都の防災学―都市と地盤災害の2000年

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埋もれた都の防災学―都市と地盤災害の2000年

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784814000425
  • NDC分類 451.98
  • Cコード C1344

出版社内容情報

半分だけ倒壊したコロッセオ,大阪城の堀跡に生じた凹み,年々高さを増す天井川……。これらはいずれも,“やり過ぎてしまった”開発に対する自然からの反撃である。地下に埋もれた災害の痕跡は,人々がその地で自然と対峙してきた歴史を伝え,現代に続く災害リスクを教えてくれる。私達の暮らす町の下には,どのような歴史が眠っているのだろうか? 地盤災害と人間の関係を探る防災考古学への招待。

はじめに―過去から照射する未来

第1章……ローマも一日にしてならず―都市と災害の歴史
 永遠にして災害の都
 コロッセオのある限り
 世界史を揺るがした地震
 古代のツインタワー
 ローマの地下世界
 古代のゴミ山
 二〇〇〇年前の震災復興
 コラム1 「タルペイアの崖」の地層
 コラム2 リスボン地震の災後

第2章……古墳は語る―科学と考古学の間
 巨大内陸地震の爪痕
   大王の墳墓と地すべり―今城塚古墳
   古代航路のランドマーク―西求女塚古墳
 プレート地震の感震器
   王家の谷の古墳―カヅマヤマ古墳
   宅地開発に揺れる古墳―赤土山古墳
 コラム3 近畿トライアングル

第3章……水底の証言者
 千軒遺跡
 御厨の地すべり
   湖底に向かう地すべり/湖岸地すべりのメカニズム
 フロイスが報告した地すべり
   湖底地形が語るもの/複数の地すべり
 江戸時代の湖底遺跡
   現代のウォーターフロントで
 コラム4 海底に残る関東大震災の痕跡

第4章……山崩れと人生
 山の木を刈るということ―タブーと防災
 石庭の砂の山地
   山の成り立ち/山崩れの副産物
 開発の始まり
   山中の遺跡/埋没黒色土壌
 一二世紀の大震災
 離宮の谷
 マツとはげ山
   京マツタケの始まり/花粉は語る
 山の寺と土石流
   科学の時間と生活の時間/堆積物が語る谷の歴史
   崩壊の免疫性/中世の宗教都市
 現代の山麓で
 コラム5 ヨーロッパの大開墾時代

第5章……天井川時代
 天井川はどうしてできたのか
 天井川以前―木津川河床遺跡の世界
 天井川の基底
   南山城、北河内の天井川/多羅尾盆地
   周防国府周辺の開発と天井川/天井川の始まり
 中世社会と天井川
   高まる開発圧力/中世を分かつもの
 近世の天井川と周辺地域の洪水
   浮世絵に描かれた天井川/食料増産時代の天井川/埋まる古墳
   埋まる太閤堤/洪水は止まらない/土砂留制度
 近代化の中の天井川
   天井川トンネル/近代砂防事業の始まり
   鉱毒と天井川/茶畑が作った天井川
 現代の天井川
   戦中の森林荒廃と戦後の復興/極端気象の時代
 コラム6 東南アジアの洪水と森林伐採

第6章……埋もれた近世都市
 埋もれた大阪
   大阪の成り立ち/埋もれた谷筋/埋もれた崖
   大阪城の外堀/近世大阪の産業遺構
 秀吉の京都
   総構の時代/御土居堀/聚楽第

第7章……埋もれた都の近現代
 都市型斜面災害の出現
   土地制度が防いでいた災害/欲が招いた崖崩れ
   都市における斜面災害の始まり
 埋もれた郊外
   消えゆく山林/消えゆく里山/宅地の地すべり

おわりに

基礎知識1 地震の痕跡
基礎知識2 地すべり地形
基礎知識3 液状化現象
基礎知識4 年代測定法
基礎知識5 洪水・堆積物
基礎知識6 表面波探査法

釜井 俊孝[カマイ トシタカ]
1957年東京都生。1979年筑波大学卒業(地球科学専攻)。1986年日本大学大学院修了(地盤工学専攻)。利根コンサルタント(株)技師(1979?1986)。通商産業省工業技術院・地質調査所(現・産業技術総合研究所)研究官・主任研究官(1986?1995)。日本大学理工学部土木工学科助手・専任講師・助教授(1995?2000)。京都大学防災研究所助教授・教授(2000?現在)。博士(工学)

主要著書など
『斜面防災都市』理工図書2002年、『地震で沈んだ湖底の村』サンライズ出版2012年、他論文報告多数。

内容説明

半分だけ倒壊したコロッセオ、大阪城の堀跡に生じた凹み、年々高さを増す天井川…。これらはいずれも、“やり過ぎてしまった”開発に対する自然からの反撃である。地下に埋もれた災害の痕跡は、人々がその地で自然と対峙してきた歴史を伝え、現代に通じる災害リスクを教えてくれる。私達の暮らす町の下には、どのような歴史が眠っているのだろうか?地盤災害と人間の関係を探る防災考古学への招待。

目次

第1章 ローマも一日にしてならず―都市と災害の歴史
第2章 古墳は語る―科学と考古学の間
第3章 水底の証言者
第4章 山崩れと人生
第5章 天井川時代
第6章 埋もれた近世都市
第7章 埋もれた都の近現代

著者等紹介

釜井俊孝[カマイトシタカ]
1957年東京都生。1979年筑波大学卒業(地球科学専攻)。1986年日本大学大学院修了(地盤工学専攻)。利根コンサルタント(株)技師(1979~1986)。通商産業省工業技術院・地質調査所(現・産業技術総合研究所)研究官・主任研究官(1986~1995)。日本大学理工学部土木工学科助手・専任講師・助教授(1995~2000)。京都大学防災研究所助教授・教授(2000~現在)。博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

12
今城塚古墳と西求女塚古墳に残る大規模な地滑り地形は、どちらも慶長伏見地震によって引き起こされたのだそうな。。大阪が大地震に襲われたら、冬の陣のあとに埋められた空堀の上で、最も大きな被害が発生する、、いうのも衝撃。「災害は、忘れたためにやってくる」のだ。2020/02/07

chang_ume

8
非常に面白かった。自然科学の専門知に加えて、歴史学と考古学のプロパー相当の理解が分厚い。たとえば畿内惣村の形成を背景に(上流山間部の開発と中下流部の河道固定)、中世「天井川時代」を解釈する章はとりわけ圧巻。土地に対する総合知といえるのではないか。地理分野に関して理想的な一冊と思う。一方で「半壊したコロッセオ」の成立メカニズムがローマ現地の微地形から詳細に読み解かれるなど、フィールドワーク由来の確かな観察眼が内容を肉付けしていく。本書の読後、まち歩きの目指すところは変わってしまうかも。良書。2019/01/08

かぷりん

2
サブタイトルにあるように「都市と地盤災害の2000年」…土砂災害の歴史が書かれている。時代の節目で森林開発が行われ禿山から土砂が流出。農地開発と相まって、河川を閉じ込める政策により天井川が増えていった。さらに土砂が流出して氾濫が発生。 「災害は忘れたためにやってくる」は著者の名言。過去の地形や人口改変された土地利用を知らないと、思わぬ災害が発生する。 災害対策は歴史の中にある。2016/10/25

takao

1
地震等の災害の跡、埋立地の脆弱性など2017/03/23

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