出版社内容情報
小学生モニターに選ばれた5人はオンライン上のバーチャル空間で出会う。なぜ5人だけが選ばれたのか。謎を解くためにはこのゲームをクリアしなければならない。つぎつぎと襲いかかる恐怖。明らかになる秘密。そしてついに5人は自らの「罪」と向き合う…。
ケータイや、インターネット掲示板の匿名性がはらむ危険。「学校裏サイト」などでの言葉の暴力による誹謗中傷。そして、なくならない「いじめ」…。
この作品は、3D世界に放りこまれて、現実とフィクションの区別がつかないまま犯した自らの罪を自覚する子どもたちの心の葛藤の物語であり、何々キャラという疑似人格重視の人間関係が横行する現代社会への問題提起でもあります。
内容説明
おれたちは、みんな、ひとりひとりが複雑で、血のかよった人間なんだ。でも、油断すれば、子どももおとなも、そんな複雑な人間を単純なキャラとしてあつかってしまうんだ…。
著者等紹介
中松まるは[ナカマツマルハ]
1963年大阪生まれ。同志社大学卒業。第14回福島正実記念SF童話大賞受賞。受賞作『お手本ロボット51号』(岩崎書店)でデビュー
北沢夕芸[キタザワユウキ]
1962年長野生まれ。雑誌、書籍を中心に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
85
子供NO.1と共読。サブタイトルが「ぼくたちの罪」ですから、結構重たいテーマです。ある日突然バーチャルゲームのソフトとスコープとかグローブが一式送られてくるんです。そこに集まったメンバーとゲーム進めるともしかしたらゲームオーバーってほんとに死んじゃうんじゃないかって恐怖、あとこのゲームの送り主は誰で、集められたメンバーは誰?と謎を解いていって最後に分かった事実に驚愕。本当の事実はゲームから無事帰還してから分かります。小学5、6年生向けですがこの年代にネットの使い方を教えるのにはいい本ではないかと思います。
へくとぱすかる
50
ゲームはあくまで発端。重く、そしてシリアスだ。送り付けられてきた3DゴーグルでのVR。5人の仲間とどこかの学校を「世界」にして始まるRPG。「冒険」はしだいにゲーム世界への疑問となって、現実世界との関係を追求するようになっていく。この世はVRではないのに、いつのまにかそう思っていないか? ネットやゲームの論理によって、見えなくなっているものを問いかける。デジタル世界の恐ろしさがこんなふうに提起されるとは。サブタイトルが「ぼくたちの罪」であることに注目。ネット社会を生きる大人にこそ読んでほしい物語である。2021/11/10
柏葉
7
「現実とフィクションを混同してはいけません」「人をキャラクターで決め付けてはいけません」という教訓を含んだ本。ってか道徳的な児童書。 お説教がうざい。「おまえたちの現実世界では、くすりをのむだけで、体力が回復するのか?」ってゲームと現実は違うだろうがwそして犯人。恨むべきはそっちじゃねーだろwまた、ガキ大将のカキコは正解だと思う。「半年ROMれ」と言わないだけ優しい。彼も形勢不利を悟ったら謝ればいいのに、変に意地を張るし。とにかくつっこみどころ満載な話だった。 2011/12/23
ガリレオ
5
へのへのもへじが最後に残していく捨てぜりふ、「死ね」「バーカ」「キモーイ」これっていじめっ子に言われた言葉なんだと思う。だっていじめっ子に書かれたへのへのもへじからできたモンスターだから。人体くんは友達が見つかったのに、襲いかかるのかと思ってドキドキした(゜_゜) ガキ大将のオオーオオーの所で、爆笑した!!2015/10/10
ふわふわらいおん
4
おもしろかったし、いろいろ考えさせられた。 気に入りました~。 他の人にもたくさん読んでほしいです。2015/05/08