出版社内容情報
一次産品ブームによる成長や格差の拡大,開発の活発化……これらは自ずと,土地や資源を巡る対立に結びつく。ならば,アフリカは大小の紛争だらけなのか? いやほとんどの地域で,人々は時にぶつかり合いつつも共存している。日常的な対立や調整の現場から,アフリカの人々の交渉力・調整力の特徴を見い出し,紛争を回避する知恵を探る。
【推薦】松本仁一氏(元朝日新聞編集委員)
貧困や混乱が続くアフリカ。一方で資源ブームと成長のイメージで語られるアフリカ。両極端の状況のなかで人びとはどのような暮らしを送っているのか。本書が生きいきと描き出しているのは,変化に直面するアフリカの人びとが開発の担い手となり,ときには格差の拡大をくいとめ,しなやかに共生を実現しようとする姿である。
目次
アフリカの変動、そして開発と共生に向けた潜在力
第1部 資源を生かす(ワークフェアと貧困・飢餓対策―サヘル農村における労働対価の援助プロジェクト;農村世帯の独立自営と協調行動―北部タンザニア都市近郊農村の水資源利用の軌跡から;内発的な開発実践とコモンズの創出―タンザニアにおける水資源利用をめぐる対立と協働に着目して;井戸待ち行列にみる村落自助集団の秩序―ケニアにおける水セクター改革と受益者負担の持続性)
第2部 市場に生きる(企業と農民の信頼関係の「脆さ」を越えて―ウガンダにおけるビール会社と小農との新しい社会的結合;グローバル化と都市労働者―マダガスカルにおけるインフォーマルセクターの役割;路上空間から情報コミュニケーション空間をめぐるコンフリクトへ―タンザニアの路上商人を事例に)
第3部 国家と生きる(外生の変容をかわす生業戦略の柔軟性―タンザニアの狩猟採集民と多民族国家;教科書に見る民主主義と多文化共生―エチオピア連邦民主共和国における市民性教育;国民統合、政治暴力、そして生活世界―ケニア農村における紛争と共生)
開発と共生に向けたアフリカの潜在力とは―変化のしなやかな担い手としての人びと
著者等紹介
高橋基樹[タカハシモトキ]
神戸大学大学院国際協力研究科・教授。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院修了(国際関係論修士)
大山修一[オオヤマシュウイチ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- おしょうがつのかみさま