出版社内容情報
今日「他者」は諸学問の流行テーマである.しかし本書はそれらの議論とは一線を画す.すなわち,一切の思弁を排し,ヒトとサル(そして他の動物)の参与的な観察事例にこだわった厳密な経験科学として,「他者」なるものを析出していく.哲学的な思索の対象としてではなく,個体と個体(集団と集団)の相互行為のプロセスとしての「他者」の中に,人類の社会性の本質を見る.
内容説明
今日「他者」は諸学問の流行テーマである。しかし本書はそれらの議論とは一線を画す。すなわち、一切の思弁を排し、ヒトとサル(そして他の動物)の参与的な観察事例にこだわった厳密な経験科学として、「他者」なるものを析出していく。哲学的な思索の対象としてではなく、個体と個体(集団と集団)の相互行為のプロセスとしての「他者」の中に、人類の社会性の本質を見る。
目次
進化から「他者」を問う―人類社会の進化史的基盤を求めて
第1部 他者の諸相―その生成、成立、変容をめぐって(霊長類社会における承認する他者、不可解な他者;動物は「他者」か、あるいは動物に「他者」はいるのか? ほか)
第2部 他者と他集団―いかに関わりあう相手か(続・アルファオスとは「誰のこと」か?―チンパンジー社会における「他者」のあらわれ;出会われる「他者」―チンパンジーはいかに“わからなさ”と向き合うのか ほか)
第3部 人類における他者の表象化と存在論(他者のオントロギー―イヌイト社会の生成と維持にみる人類の社会性と倫理の基盤;祖霊・呪い・日常生活における他者の諸相―ザンビア農耕民ベンバの事例から ほか)
第4部 広がる他者論の地平(野生動物との距離をめぐる人類史;環境の他者へ―平衡と共存の行動学試論 ほか)
苦悩としての他者―三者関係と四面体モデル
著者等紹介
河合香吏[カワイカオリ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。1961年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 板谷バカ三代 角川文庫