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内容説明
食品会社に勤める葉越海理は、ホストをしている弟・翼久と暮らしている。幼い頃から家に寄り付かなかった母親に、完全に見捨てられてからは、ずっとふたりで生きてきた。けれど、不定期に振り込まれる金が母親からだと信じていた海理は、母親を恨むことはなかった。本当は翼久が身体で稼いだものとは知らずに。海理を密かに慕う翼久は、海理のためならなんでもできた。しかし、行き場のない想いと、嫌いなオンナの相手をする日々に限界がきていた。そんなある日、海理が男に押し倒されているのを見てしまい、翼久の怒りは昏く激しい劣情と化して―兄弟の危険な愛を描いた人気作、待望の文庫化!書き下ろし『凪の夜』収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那義乱丸
30
旧版既読。書き下ろし目当で購入。一歩引いた目で見れば当て馬・尚深とくっついた方がいいんじゃないかとも思えるけど、物語を読み進める程に兄弟にとってお互いの存在が唯一無二であることが伝わってきてこの関係が絶対なのだと納得。実の兄弟という禁忌ゆえに闇に融け愛し合うまさしくタイトルな描写に惹かれた。凶暴だけど兄ちゃん一筋な弟なのでその執着にほのかな切なさも。兄の感情は少々理解し難いが恋愛や兄弟愛を超えたものなのかと推測。書き下ろし、二人に突き刺さったままの棘である母親の件が乗り越えられそうな印象でホッとした。2014/09/11
辺辺
26
新装版。本作で改めて沙野先生が本物のチャレンジー♥で、総ての作品もみんな大好き♥真の兄弟モノ。お互い其々受けた(性的な事も含め)虐待+トラウマ+ドラッグetcが幼すぎた心身に残したままの傷痕がどれほど深かったのと、”家族愛”を主テーマとした極端な読み方で”血縁ゆえの葛藤”と”唯一無二な存在”の点で、その”依存”と”執着”しなければならない程の歪みきった関係性が最高にツボ♥(どうでもいい?爆)キャラ名でオカシな”欲”でもどうでも”良く”て、また”解離”しても”乖離”すればする程”融け愛える”名作だと思う☆彡2014/09/26
りんご☆
15
読了2017/08/02
なみ
15
彼等の背景があれだからこういう展開(実兄弟禁忌)でも違和感ないというか。沙野さんならではの陰な世界観。局部へのボディピアスは…お話の味付けとはいえ私は苦手です>_<2015/11/15
きなこ
12
旧版未読。母親に取り残された幼い兄弟がどんな思いで生きてきたのか?お互いを大事に思うが故海里には海里の、翼久には翼久の苦悩が切ない。翼久の兄に対する執着は分かるが、海里の翼久への愛情は果たして恋なのかは最後までわからなかった。でも何よりも失くしたくないものだったのだろう。2014/08/08