内容説明
くるくる天然パーマに牛乳瓶めがねの少年、ファーガルの趣味は、スーパーで安売りされる、「ラベルのない(取れてしまった)」缶詰を集めること。中身を想像し、並べて楽しむのだ。ところがある日手に入れたのは、軽くて振るとカラコロ音がするおかしな缶詰。好奇心に負け、ふたをを開けると、中には金のピアスが入っていた!いったいなぜ―?こうして、ファーガルの、ラベルのない缶詰をめぐる冒険がはじまった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
75
最後までそれはそれはもう夢中になって読んだ。こうして読み終えた今も胸の鼓動が収まらない。ラストに近づくほどどんどん面白くなってくる。タイトルからすると楽しい冒険なんだろうと予測していたが、楽しいというより怖くて辛かった。ラベルのない缶詰を集めている間はワクワクして楽しいが、開けてからの謎解きが未知なる方向へと物語を展開させる。そして大人は子供を絶対に信じてくれない。話さえ聞いてくれなくて…その場面とファーガルの手紙を読んでいる時には涙が出てきた。それでも一人で立ち向かった。読後感は良い!余韻はだいぶ残る笑2014/08/31
ゆかーん
53
缶・缶・缶…。缶詰の洪水に飲まれてしまいそうな、缶詰ばかりが出てくる話でした。これは、少年ファーガルの好奇心が招いた不幸な事件の物語です。スーパーの特売品コーナーで、ラベルのない缶詰を購入し開けてみると、中には「金のピアス」やら「人間の小指」やら得体のしれないものが入っていました。開けるまで何が入っているか分からないのが缶詰の魅力ですが、彼の人生も同様ように、予想もつかないような悲劇が巻き起こってばかりです。それでも、勇敢に事件解決に向けて行動する少年に、「頑張れ!」と思わず応援したくなりました。 2017/04/06
ヒダン
16
タイトルと装丁につられて借りた本。見た目から天才、風変わりであることを期待されてしまい、それに応えるような形でラベルのはがれた缶詰コレクターになった少年の一夏の冒険。最初はお母さんと缶詰を集めたいぼくという日常的な家庭の話だったのに、ストーリーが動き始めるとサスペンスのようにドキドキする展開になって、落差に戸惑いながら最後まで一気に読んでしまった。最後もちょろっとほのめかすだけでも気づいてしまうと十分怖いのに書き切ってしまうとは。明らかに児童書なのでこの恐怖を植え付けるような終わり方は意外だった。2016/09/14
tario
16
想像しただけでもぞっとするのにリアルな描写のおかげで気持ち気色悪さ倍増。ミステリとジュブナイルの合わせ技。子供の視点からみる大人ってこんなに嫌な人種でつまらない生き物なことか。2014/11/15
まゆたろ
13
缶詰の中から出てきたものは...!?恐ろしく、おぞましい...。でも本当に世界のどこかで起こっているかもしれない。それが本当の恐怖。一気読みでした!!!2014/11/01