内容説明
ある家に伝わる壊れた面をめぐる話「シメン」、隣家とのトラブルに始まる恐るべき怪「隣禍」、震災後の町で起きた怪を真摯に取材した「東北より」ほか、土を噛み泥を飲み込むがごとき暗鬱な恐怖譚を収録。
目次
禁忌を犯す
ヤーサン
よごれたち
廃墟巡り
スーツの男達
力士
桜
かえる
もう駄目だ
ねぇ〔ほか〕
著者等紹介
久田樹生[ヒサダタツキ]
1972年九州生まれ。超‐1/2006年大会1位入賞、冬の「超」怖い話執筆メンバーに参入する。2007年『「超」怖い話 怪歴』(竹書房文庫刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
16
実話怪談集だが、他のとは趣が変わって連作中編が主に収録されている。原因が分からずぽんっと不安や結果が現れるのはいいのだが、中編という形式のせいかどうも間延びがしている気がする。やはり階段は短ければ短いほど引き締まってくるよう思えるなあ。ただラストの「東北より」は実によかった。あれから一年を経てようやく怪談にできるようになったか。2012/05/05
王天上
6
長編中心なのだが、怖いというより人間の嫌な部分を描いた描写が多く疲れた。比較的早めに切り上げてくれた「廃墟巡り」がよかったな。2015/09/11
澤水月
5
心に沁みる悪意ある中編がたまらなく厭な感じ。細かい話を連ねたラストの「東北より」が圧巻。2012/04/29
☆kubo
4
じわじわくる怖さはあるんですが、それだけで、結局最後がそのままって感じ。「シメン」も何故15才までなんにもなかったのに急に?とか色々突っ込みたくなる。まあ、実話?だからしょうがないのか。2012/09/27
ラルル
3
うーん、悪くは無いんですが…。読後「うぬぬ!」となる話が無かったです。つまらないという訳では無いんですがインパクトもあまり無く、なんとなく読んでるうちに読み終わってしまいました。次回作に期待。2012/05/14