内容説明
怪奇作家・井之妖彦はある日、ぶらりと入った古書店のカウンターで一冊の本と出合う。黒い革の表紙、タイトルも何も記されていないその本には、店主による奇妙な但し書きだけが付いていた。“ご自由にお持ちください。但しいかなることがあろうとも、返本は不可。何が起ころうとも当店は一切責任を持ちません”―いわくありげな文句につられた井之は早速その本を持ち帰り、最初の一話を読みはじめるのだが…。次々と現れる奇怪な物語、万年筆による謎の書き込み、果たして「黒い本」の正体とは?ケータイ小説として連載され、話題騒然となった異色ホラーの怪作が文庫にて堂々完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆kubo
12
なかなか上手くまとまった奇妙な話の短編集。怖くはないかな。2015/04/21
こたつ
5
【KindleUnlimited】 短編からなる長編?ショートショートを集めて長編に。面白くて読みやすかったので一気読み。気味の悪い話を読み進めてしまう。止めたくても止められない。最後は ん?うん。ってちょっと?ってなったけど短編自体は面白い。2020/11/20
はる
4
再読。「ご自由にお持ちください。但しいかなることがあろうとも、返品不可。何が起ころうとも当店は一切責任を持ちません」そんな、ことわりと共に古本屋に置かれた黒い本を手にした作家におそいかかる怪奇現象短編集。2014/01/09
鎌倉
2
図書館本。紙が白くてツルツルしている。先輩の話が苦手で読んでいられなかった。人が死ぬ話は割りと平気だが痛そうな話は無理。2019/06/10
捨拾(すてろう)
2
怪談本として読むと期待外れだが、短編連作小説としては面白い。ただし昭和の匂いがする少し古い作風に、好き嫌いが分かれるところではある。主題である読むと止まらなくなる書籍を扱った作品は、オチでコケる事が多く、今作品もありきたりな着地点のイメージ。しかしそれぞれの短編は読みやすく引き込まれたので、続編も読んでみる事にする。2018/11/22