内容説明
時は1902年、新世紀になってもヴィクトリア朝の封建的な空気が漂うイギリスのロンドン。ビアトリクス・ポターの夢は、幼い頃に湖水地方で出逢った大好きな動物たちの絵に物語を添えて、絵本として世に出すこと。だが、彼女のような上流階級の子女が仕事を持つことなどあり得ない時代。彼女は親がすすめる縁談を断り、アーティストとして生きることを目指している。ついに出版を引き受ける会社が現れ、ピーターラビットと仲間たちの物語は、たちまちベストセラーとなる。さらに編集者のノーマン・ウォーンと恋に落ち、家族の反対を押し切り、生涯を誓い合う2人だったが…。世界で一番愛されているうさぎ“ピーターラビット”。その誕生に秘められた感動の物語。
著者等紹介
酒井紀子[サカイノリコ]
東京都生まれ。1987年より洋画字幕翻訳およびノベライズ翻訳・著作に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
17
映画を見てから、本を読みました。 ミスポターの動物や自然に対する観察力と描写力の源泉を知ることが出来ました。 どんな国のどんな民族の人でも、物事を深く見つめると、自然に柔らかいものに辿り着くことができることを知りました。 湖水地方の自然と人間の関わりを残そうとしたポターの社会的な姿勢に、単なるお金持ちの道楽以上のものを感じることができました。 恋とその悲しい結末にもかかわらず、全体を通じて得る物があったと思います。 ぜひ、DVDが発売されていますので、映像と合わせてお読みください。2013/04/19
とも
15
ピーターラビットの作者、ビクトリアス・ポターの半生を綴ったお話。 もちろんピーターラビットは知ってるけどその作者は女性ってことぐらいしか知らなかったので時代背景等も驚きの連続でした。 想像力豊かだったミス・ポターに親近感がわいて一気読み。 一人の偉大なアーティストの恋と夢を見届けて一緒に駆け抜けたかのような数時間でした。年齢的にも自分と近いこともあり自分を鑑みたり…。 今ピーターラビットを読んだらきっとただのお話以上の感情がわいてきそうです。2017/06/17
彩音
15
私の大好きなキャラクターであるピーターラビットを生み出した作者の生涯を綴った本。映画は高校生の時以来一度も観てないので、また借りてこようと思います。2014/04/12
Sugi Takahiro
8
ピーターラビットの生みの親、ビアトリクスの出版にまつわるロマンスストーリー。 ビアトリクスはロンドンの上流階級の生まれで、筋金入りの箱入り娘。近親者向けに折に触れて絵本をプレゼントしていたところ、ある日牧師に出版を勧められる。 これまた箱入り息子のノーマンとともに出版にこぎつけ、その間に二人は徐々に距離を詰める。 両親(特に世間体を気にする母親)の反対を受けながらも、とうとう婚約にまで行くのだが悲しい結末が… 想像力豊かなビアトリクスの悲しくも心温まる話。ピーターラビットを見てみようと思った。2016/01/31
サナ
5
映画→本の順で読んだので、情景がすっと入ってきて映画の補足もしっかり!ピーターラビット誕生秘話を知るとまたピーターラビットの絵本が良く思えます。2010/03/11